研究課題/領域番号 |
19590235
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
早坂 直人 近畿大学, 医学部, 講師 (80368290)
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研究分担者 |
渡辺 和人 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80146167)
中島 芳浩 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (10291080)
明石 真 佐賀大学, 医学部, 寄附講座教員 (30398119)
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キーワード | 体内時計 / レンチウイルス / 視交叉上核 / アストロサイト / リズム同調 |
研究概要 |
1.概日時計の分子基盤を解明する手法として、レンチウイルス・ベクターを用いた遺伝子導入法により遺伝子改変マウスを作製し、概日リズム発振や光同調等への遺伝子の関与を検討した。まず、網羅的遺伝子探索により、概日時計中枢である視交叉上核で発現が概日振動する遺伝子群の中で、Rgs16遺伝子に注目し、Rgs16過剰発現マウスと発現抑制(ノックダウン)マウスを作製した。これらのマウスの行動リズムを測定したところ、自由活動リズムの周期の変化と、光刺激に対する同調機構の異常を認めた。過剰発現マウスと発現抑制マウスでは、表現型が相反しており、Rgs16の発現様式変化による活動リズムの異常が示唆された。現在、活動リズム以外の表現型の異常、例えばRgs16の発現が見られる肝臓などでの異常を解析中である。また、Rgs16遺伝子改変マウスで発現に変化の見られる遺伝子の探索や、Rgs16が概日時計の入力系、振動体、出力系のどこで機能しているのか、また、Rgs16の視交叉上核における機能は何かについて、分子生物学、生化学、薬理学あるいは生理学的な解析を行っている。 2.視交叉上核におけるアストロサイトの関与について、網羅的な遺伝子探索から採取した高発現遺伝子に注目し、それらの機能解析をin vitro (細胞株)及び in vivo (マウス)で解析中である。注目している遺伝子には、既知の時計遺伝子のDEC1や、上記のRgs16が含まれ、それらの光応答や、遺伝子改変マウスのリズム関連の表現型異常の解析をマウスや採取した細胞で行っている。また、アストロサイト特異的に概日時計を破壊した動物をレンチウイルスを用いて作製し、解析中である。
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