生命沽動は、摂食、消化、吸収によるエネルギー源の確保と、そのエネルギーを代謝することで維持さ。高齢者にみられる食欲不振は身体機能を低下させ、生活の質を低下させることから高齢者では深刻な問なる。本研究では末梢への摂食調節関連ペプチドの投与による摂食の動向と消化菅の機能を老齢動物(マ)を用いて検討し、加齢による食欲低下の原因を末梢の消化管機能と中枢の調節機能の両面から解明し、策を探索する事を目的とする。 1.加齢による摂食調節の検討 ラットを用いたグレリンの中枢(脳室内)投与による摂食亢進効果は加齢により有意に低下していると結果を得ている。今回は老齢マウス(C57BL:26〜28ヶ月)を用いてグレリンの末梢投与による摂食效を若齢マウス(6〜8ヶ月)比較したが、中枢(脳室内)投与と同じように、加齢によりグレリンの摂食亢効果は低下している傾向が観察された。 2.胃酸分泌の加齢変化 胃酸はヒスタミン、ガストリン等の化学物質、脳からの神経伝達、満腹等の物理適刺激により胃壁細胞ロトンポンプから分泌される。化学物質としてヒスタミン、神経伝達物質としてカルバコール、胃内に生止めて物理的刺激として、若齢(6〜8月齢)と老齢(26〜28月齢)で各々の刺激に対する胃酸分泌に違いがあるか観察した。胃酸分泌は、生理的範囲内の刺激に対する反応性は加齢により大きな変化は見ないが、予備能力が低下することが観察された。
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