研究分担者 |
石川 良樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20212863)
小浜 一弘 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30101116)
岡垣 壮 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (80185412)
岸 博子 山口大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40359899)
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研究概要 |
近年,我が国においては深刻な高齢化社会を迎えており,それに加えて食生活の欧米化などによる生活習慣の変化などの影響で,虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞),脳血管障害,閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性疾患が増加している。血管平滑筋は形質転換により,収縮能のない脱分化(合成型)細胞に変化し,活発に増殖を繰り返しながら中膜から内膜へと遊走する。遊走した脱分化型平滑筋細胞はコレステロールを蓄積したマクロファージと共に血管内膜に蓄積する。最終的には動脈内膜に肥厚を形成し,その患部は動脈硬化症により狭窄そして閉塞する事が知られている。これらの細胞の分化、脱分化に関して,タンパク質をコードしない非コードRNA,とりわけ中でもマイクロRNAが注目されている。現在までにも発生過程や癌における細胞の脱分化に特定のマイクロRNAの関与を示唆する報告がなされている。我々はこの動脈硬化症を引き起こす血管平滑筋細胞の脱分化に着目して,マウスの血管平滑筋細胞株(ACO1細胞)からマイクロRNAを単離して,マイクロRNAマイクロアレー法により増加もしくは減少するマイクロRNAを網羅的解析に解析した。その結果,十数種類のマイクロRNAが同定することが出来た。現在,リアルタイムPCRによる定量的発現解析により優位差のあるマイクロRNAに関して,標的遺伝子の解析を行っている。また,新たに発見した新規のマイクロRNAに関しても解析を進めている。今後,これらのマイクロRNAが血管平滑筋の脱分化に伴いどのような仕組みで標的遺伝子を抑制し,分化誘導を行うかに関して更に解析を行う予定である。
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