• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

ニコチンによる海馬シナプスのリモデリング

研究課題

研究課題/領域番号 19590247
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 秀和  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70273638)

キーワードニコチン / シナプス / 可塑性 / スパイン
研究概要

1.実験系の立ち上げ
シナプスの形態的可塑性を検討するために、ラット海馬ニューロン(神経細胞)を培養し、それに遺伝子導入を行うことで、クラゲ由来の蛍光蛋白質GFPを発現させた。神経細胞の細胞質内を速い速度で拡散するGFPの蛍光により、神経細胞の形態が経時的に観察できるようになった。シナプスの機能・形態連関を考察する為に、樹状突起表面に突出し、シナプス後構造を形作るスパインの形態に着目し、経時的にスパインの形態変化を追った。細胞外液に30mMのカリウムイオンを入れることにより細胞膜の脱分極をおこし、シナプスを刺激した。刺激中はスパインが安静時に見せる速い(数秒に1回のサイクル)反復運動が止まり、スパインが丸く小さくなった。その後、刺激を取り除くとすぐにもとの状態にもどるが、15分程で、今度は安静時よりも大きく広がった形に変形し、シナプスの接着面を拡大させた。
2.ニコチン作用によるスパイン形態の変化の検出
ニコチンを長時間作用させることによるスパインの形態と運動パターンの変化を観察した。(1)で立ち上げた実験系で、GFPで可視化した培養ニューロンを維持しているTyrode's溶液中に、各種濃度のニコチンを添加し、5分ごと、最大2時間にわたるスパイン形態の変化を追った。その結果、通常、ニコチン型アセチルコリン受容体を活性化するのに必要な濃度よりも、比較的高濃度(2-5 microM)のニコチン存在下で、きのこ型をしたスパインの頭部から、細長い形をした、針状の突起が1本から数本伸展する姿が観察された。この変化が起こるまでにかかる時間は一定ではなく、ニコチン添加後、60分から120分の間に、90分をピークとして、確率的に分布した。この形態変化から、シナプスが幼若化し、シナプス結合が弱まる可能性を示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Granulocyte colony-stimulating factor has a negative effect on stroke ou tcome in a muririe model2007

    • 著者名/発表者名
      Taguchi A
    • 雑誌名

      Eur J Neurosci 26

      ページ: 126-133

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sema4D-plexin-B1 implicated in regulation of dendritic spine density through RhoA/ROCK pathway2007

    • 著者名/発表者名
      Lin X
    • 雑誌名

      Neurosci Lett 428

      ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synaptic activity-induced protocadherin arcadlin regulates dendritic spine number by triggering N-cadherin endocytosis via TAO2β and p38 MAP kinases2007

    • 著者名/発表者名
      Yasuda S
    • 雑誌名

      Neuron 56

      ページ: 456-471

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi