研究課題/領域番号 |
19590248
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
伊藤 壮一 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (30193494)
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研究分担者 |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
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キーワード | Nitric oxide (NO) / Na^+ / Ca^<2+> exchanger / 脳神経疾患 / MPTP / SEA0400 / アストロサイト / パーキンソン病 / 細胞内Ca^<2+>濃度 |
研究概要 |
培養アストロサイトでのNO誘発アポトーシスにおけるNCX関与のメカニズム NOの細胞内Ca^<2+>濃度に対する作用について、細胞内Ca^<2+>蛍光指示薬fura-2/AMを用いた二波長蛍光測定およびfluo-3/AMを用いた一波長蛍光測定法により検討した。NOドナーであるsodium nitroprusside (SNP)処置(100μM、1時間まで)は細胞内Ca^<2+>濃度に影響を与えなかった。一方、NO誘発細胞障害(MTT還元活性の低下)およびその下流であるMAPキナーゼの活性化は細胞外Ca^<2+>の存在に依存していた。また、SNP処置(10分間)は^<45>Ca^<2+>取り込みを有意に増加させた。これらの成績は、NOによる細胞内へのCa^<2+>流入の増加が細胞内小器官の緩衝化により抑制されていることを示唆する。 パーキンソン病モデル動物での神経障害に対するSEA0400の効果 パーキンソン病モデルとして、より多く使われているMPTP誘発神経障害モデルを用い、その障害に対するSEA0400の作用を、行動薬理学的、神経化学的、組織化学的に解析してきた。本研究では、SEA0400の作用がNCXを介していることを明らかにする目的で、NCXの発現変化についてもmRNAレベル、タンパク質レベルで検討した。RT-PCR法やウエスタンブロット解析により、MPTP処置がマウス脳NCX発現に大きな影響を与えないことが示された。すなわち、MPTP処置はタンパク質レベルでNCXに影響を与えるのではなく、活性レベルでの変化を引き起こしている可能性を示唆する。
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