研究課題/領域番号 |
19590256
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金井 好克 大阪大学, 医学係研究科, 教授 (60204533)
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研究分担者 |
平田 拓 杏林大学, 医学部, 助教 (60372918)
福富 俊之 杏林大学, 医学部, 助教 (30439187)
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キーワード | アミノ酸 / センサー / 受容体 / トランスポーター / Ca2+シグナル / 代謝調節 / 細胞膜 |
研究概要 |
本研究は、細胞膜型アミノ酸センサーの分子実体を解明し、その代謝調節における役割を明らかすること目的とするものである。研究初年度にあたる平成19年度は、細胞膜型アミノ酸センサーの分子実体解明に向けて、以下の解析を行った。(1)培養細胞系における細胞膜型アミノ酸センサーの解析。アミノ酸枯渇状態で維持したHeLa-S3細胞がロイシンを高親和性に感知し増殖速度を変えること、及び同細胞がインヒビターBCHによるアミノ酸トランスポーターの抑制により、p70S6 kinaseのリン酸化で評価したmTORシグナル系の活性を変えることを見いだし、その定量的特性を明らかにした。また、HEK293細胞も同様にロイシンに応答するが、それはBCHにより影響を受けないことが明らかになり、細胞膜型アミノ酸センサーのモデル細胞としてのHeLa-S3細胞の特徴を浮き彫りにした。さらに、アミノ酸枯渇状態で維持したHeLa-S3細胞は、ロイシン添加により細胞内Ca^<2+>動員が起こることをCa^<2+>感受性色素fluo-4負荷により明らかにした。これは、HeLa-S3細胞の細胞膜型アミノ酸センサーは、Ca^<2+>動員に導くGタンパク質共役型受容体であることを示唆するものである。(2)アフリカツメガエル卵母細胞を用いた機能発現クローニング。飢餓状態で維持したHEK293細胞からpoly(A)^+RNAを抽出し、アフリカツメガエル卵母細胞に注入することにより発現させ、膜電位固定下で細胞外から与えたロイシンに対する膜電流変化を観察したところ、ロイシンよる内向き電流が観察された。これは、細胞内Ca^<2+>動員を生じる受容体はアフリカツメガエル卵母細胞に発現させると同様に細胞内Ca^<2+>上昇を引き起こし、細胞膜のCa^<2+>感受性C1^-チャネルを活性化するためと考えられる。本応答を指標にアフリカツメガエル卵母細胞を用いた機能発現クルーニングを進行させている。
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