研究概要 |
本研究では、D-セリンの生合成酵素であるセリンラセマーゼ(SRR)に対するsiRNAを用いてSRRノックダウンラット及びSRRノックアウト(KO)マウスを作成し、D-セリン代謝酵素の機能解析を行う。本研究によって新規統合失調症モデル動物の作成やD-セリン代謝酵素の病態生理学的意義の解明がなされれば、難治性統合失調症の陰性・認知症状に対して有効は新規治療薬開発の基盤研究となる可能性がある。最近、富山大学の森寿教授はSRR-KOマウスを作出した。このマウスのD-セリン含量はコントロールマウスの10%に減少しており、SRRがD-セリンを合成していることを明らかにした。現在、このKOマウスを用いて、1)SRR-KOマウスにおけるD-セリン関連遺伝子(SRR,DAO,NMDA受容体,ドパミン受容体など)の発現変化解析、2)DNAマイクロアレイを用いたSRR-KOマウスにおける遺伝子発現の網羅的解析,(3)統合失調症の新規モデル動物としての評価等の研究を行っている(森寿教授との共同研究)。
|