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2009 年度 実績報告書

脳血管系を形成できる多能性神経幹細胞

研究課題

研究課題/領域番号 19590262
研究機関明治薬科大学

研究代表者

大石 一彦  明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80203701)

キーワード神経幹細胞 / 平滑筋細胞 / 分化 / β-catenin / TCF / コラーゲン / GSK3B
研究概要

申請者は、脳血管前駆細胞的な分化ポテンシャルを有する多能性神経幹細胞を同定することを目的として本研究を計画するに至った。本研究計画の初年度では、CD44+ CD90+細胞が、内皮細胞や平滑筋細胞に分化できる能力を有することから、血管前駆細胞的な発生ポテンシャルを持ち合わせた多能性に富む神経幹細胞である可能性を明らかにした。しかし、その分化制御機構は未だ明らかではない。そこで、平成21年度では、神経幹細胞より平滑筋細胞への分化機構を検討するため、β-catenin/TCFとの関連性を検討した。
まず、神経幹細胞の分化の密度依存性を検討するために、妊娠13.5日のマウス胎仔脳より単離・調製した神経幹細胞を様々な細胞密度でbFGF非存在下、10%牛胎児血清(FBS)存在下で4日間培養した。その結果、神経幹細胞は、細胞密度依存性の分化能を示し、低密度では平滑筋細胞へ、高密度ではアストロサイトへ分化することが明らかとなった。次に、β-cateninの活性化が神経幹細胞から平滑筋細胞への分化に関わるのかを検討するために、高密度の培養条件において、LiClを培養液に加え分化の割合を検討した。LiClはGSK3βの抑制を介してβ-cateninを活性化することが知られている。その結果、LiClを加えたものはコントロールと比較して、アストロサイトへの分化は抑制され、平滑筋細胞への分化が誘導された。したがって、平滑筋細胞への分化には、GSK3βとその下流に存在するβ-cateninが関与しており、GSK3βの抑制によるβ-cateninの活性化により、平滑筋細胞への分化が誘導されることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 幹細胞から作製する再構成組織標本とその薬理学的解析への応用2009

    • 著者名/発表者名
      大石一彦
    • 学会等名
      第22回日本動物実験代替法学会総会・学術大会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪市)
    • 年月日
      2009-11-14
  • [学会発表] iPS細胞の分化と薬理学研究への応用2009

    • 著者名/発表者名
      大石一彦
    • 学会等名
      第36回日本トキシコロジー学会学術年会
    • 発表場所
      アイーナ(盛岡市)
    • 年月日
      2009-07-07

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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