研究課題/領域番号 |
19590265
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高野 行夫 福岡大学, 薬学部, 教授 (50113246)
|
研究分担者 |
本多 健治 福岡大学, 薬学部, 助教 (60140761)
斎藤 亮 福岡大学, 薬学部, 講師 (80122696)
松末 公彦 福岡大学, 薬学部, 助教 (10389364)
|
キーワード | 神経因性疼痛 / 坐骨神経部分結紮 / ミクログリア / アストロサイト / グリア細胞 / 肝インスリン抵抗性 / fsp27 |
研究概要 |
(1)末梢神経障害の発症の仕組みを脊髄のグリア細胞に注目した。坐骨神経部分結紮モデル動物を作製し、Von Freyで機械的刺激による痛みを評価した。坐骨神経部分結紮による神経因性疼痛はミノサイクリンで抑制された。さらに、免疫組織学的に調べた結果、脊髄のミクログリアとアストロサイトは坐骨神経部分結紮マウスの結紮側で著しく増加していたが、この増加はミクログリア活性抑制剤のミノサイクリンで抑制された。これらの結果は、末梢神経障害の発症に脊髄ミクログリアとアストロサイトが関与していることを示唆した。 (2)肝細胞における脂質蓄積(脂肪肝の形成)は、肝臓のインスリン抵抗性を悪化させる。本年度は、fsp27のショートヘアピンRNA(shRNA)を発現するアデノウイルスベクター(Adshfsp27)により、脂肪肝に発現しているfsp27をノックダウンすることで、fsp27の肝脂質蓄積に対する影響を確かめた。1)Fsp27の高発現が認められ、シビアな脂肪肝を形成しているob/obマウスにAdshfsp27を尾静脈注した。Adshfsp27導入ob/obマウスの脂肪肝においては、fsp27の発現レベルがコントロールに比べ著しく低下した。この結果より、Adshfsp27による効率的なfsp27のin vivoノックダウンが確認できた。2)Fsp27ノックダウンob/obマウスの脂肪肝は、コントロールマウスの肝臓に比べ、有意な肝トリグリセリドレベルの低下が認められた。3)病理学的な組織染色を行ったところ、fsp27ノックダウンob/obマウスの脂肪肝は、細胞内の脂肪滴が顕著に縮小していた。
|