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2008 年度 実績報告書

両アリルへの挿入変異導入を利用した疾患原因遺伝子の単離と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590274
研究機関金沢大学

研究代表者

鈴木 健之  金沢大学, がん研究所, 教授 (30262075)

キーワードがん遺伝子 / レトロウイルス / 挿入変異 / 疾患モデルマウス / がん分子標的 / ゲノム不安定性
研究概要

がんの発症・悪性化の分子メカニズムを解明し、がんを克服するには、その原因となる遺伝子の効率的な同定と機能解析が重要となる。申請者は、レトロウイルス挿入変異を用いて、マウスに発症した血液腫瘍から、発がんに重要な共通挿入部位の遺伝子を網羅的に同定してきた。しかし従来法では、ウイルス挿入で発現が活性化されるがん遺伝子が主に単離され、がん抑制遺伝子の候補はほぼ発見できなかった。そこで、分裂組み換えを頻発する変異マウス(ブルーム(Blm)遺伝子変異マウス)を用いて挿入変異を行い、両アリルへの変異導入効率を高めて、がん抑制遺伝子を優先的に単離する方法を構築した。現在までに、既知の有力な候補を含めてがん抑制遺伝子の候補を十数個単離することができた。新しい候補の中には、ヒストンの脱メチル化酵素のモチーフであるJmjCドメインをもつタンパク質が複数含まれており、発がんにおけるヒストンのメチル化制御の重要性が明らかになった。これまでにヒストンのメチル化を制御する酵素の多く(メチル化酵素17種と脱メチル化酵素11種)が、ウイルス挿入の標的となることを見いだした。ヒストンの翻訳後修飾は、転写制御、DNA複製、X染色体不活性化など様々な生物学的現象に関与しており、特にヒストンのアセチル化と発がんの関係は重要で、脱アセチル化酵素の阻害剤が抗がん剤として開発されている。メチル化を制御する酵素群もまた、がんの新しい分子標的の有力な候補と考えられるため、同定した酵素について、ヒト肺がんにおける発現解析や、遺伝子発現に与える影響の網羅的な解析を進行している。最近、これらの酵素のなかに、ヒストンばかりでなく、p53などの転写制御因子や、NFkBやWntシグナル経路の因子に影響を与える酵素が複数存在することがわかった。現在、結合するタンパク質を同定することにより、その作用メカニズムを解析している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Meisl regulates the development of endothelial cells in zebrafish.2008

    • 著者名/発表者名
      峯畑健一
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun. 374

      ページ: 647-652

    • 査読あり
  • [学会発表] Identification of novel cancer genes using retroviral inserlional mutagenesis in mice.2008

    • 著者名/発表者名
      Suzuki T
    • 学会等名
      第31回分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-10
  • [学会発表] Involvement of histone methyltransferases and demethylases in canceridentified by retroviral insertional mutagenesis.2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木健之
    • 学会等名
      第67回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-10-28
  • [学会発表] ウイルス感染マウスを用いた新しいがん分子標的の探索2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木健之
    • 学会等名
      The 22nd Meeting of the Society for the studyof Mammalian Genetics
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-09-12
  • [学会発表] Identification of novel cancer genes using retroviral insertional mutagenesis in mice.2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木健之
    • 学会等名
      The 8^<th> Awaji International Forum on Infectionand Immunity
    • 発表場所
      Awaji, Hyogo
    • 年月日
      2008-09-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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