【研究の背景と目的】近年、上皮細胞における活性酸素の産生が報告され、続いて組織特異的に存在する新規Nox(7種類)が確認され、その生理機能やその機能異常によって引き起こされる疾患などに注目が集っている。申請者は、貪食細胞および上皮細胞における活性酸素産生機構の解明に取り組み、世界に先駆けた報告を行ってきている。本研究は、新規Noxの活性化機構の詳細を、コンデショナルノックアウトマウスやトランスジェニックマウスを用いて解明しようというものである。 【研究方法・研究内容】本年度は、1)Nox複合体構成因子間の相互作用及び構成因子の分子内結合に注目し、可視化により相互作用を検知できる新規蛍光蛋白質システムを確立すること、2)primary culture繊維芽細胞とレンチウイルスを用いたNox reconstituted systemを確立することを行った。 【研究結果】1)生細胞を用いて、共焦点レーザー顕微鏡下で、可視化により蛋白質相互作用を検知できる新規蛍光蛋白質システム(complementation-based method using a monomeric coral fluorescent protein:mKG system)を開発し、その有用性をNox複合体の相互作用を用いて証明し、現在論文を投稿中である。2)primary culture繊維芽細胞とレンチウイルスを用いたNox reconstituted systemの確立に成功し、来年度の研究に応用している。
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