研究課題/領域番号 |
19590282
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
上田 夏生 香川大学, 医学部, 教授 (20193807)
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研究分担者 |
岡本 安雄 金沢大学, 医学系研究科, 准教授 (80293877)
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キーワード | N-アシルエタノールアミン / アナンダミド / エンドカンナビノイド / 酸素 / 脂質メディエーター / アシル基転移酸素 / ホスホリパーゼD / リン脂質 |
研究概要 |
カンナビノイド受容体の内因性リガンドとして見出されたアナンダミドを含む種々のN-アシルエタノールアミン(長鎖脂肪酸のエタノールアミド)は、動物組織中で生体膜のグリセロリン脂質から2段階の酵素反応で合成される。この反応の第一段階を触媒するホスファチジルエタノールアミンN-アシル転移酵素のタンパク質としての実体はこれまで不明であった。我々は、レシチン・レチノール・アシル転移酵素とホモロジーを示す機能未知の遺伝子(仮称RLP-1)が同酵素活性を示すことを初めて見出した。すなわち、RLP-1のcDNAをラット組織からクローニシグし、組換え体を哺乳動物細胞COS-7で発現させ、発現した酵素がホスファチジルコリンの脂肪酸鎖をボスファチジルエタノールアミンに転移してN-アシルポスファチジルエタノールアミンを生成することを発見した。しかしながら、Ca^<2+>により活性化されないことや可溶性であること、ラットの精巣で際立って強く発現していることなどから、脳などで発現している既知の膜結合性、Ca^<2+>依存性のN-アシル転移酵素とは異なる酵素であることが示された。N-アシルエタノールアミン合成経路の第二段階を触媒するボスホリパーゼD型酵素(NAPE-PLD)についても組換え体を大腸菌で過剰発現させて、高度に精製した標品を用いて触媒活性を検討した。その結果、NAPE-PLDは生体膜抽出脂質やボスファチジルエタノールアミンによって活性化すること、及び脂質存在下ではCa^<2+>による活性化作用が減弱することが判明した。
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