1、Yeast Two-hybrid系を利用しYeast内におけるR1とTip60の結合部位を同定した。Tip60との結合に必要な部位はR1のC末端側に有り、この必須の部位を欠損させてもR2との結合には影響がないことが明らかとなった。このR1変異体を用いてin vivoにおけるR1とTip60の結合の重要性について検討を行った。 2、内在性のR1とTip60についてその相互作用を証明した。Tip60は主としてクロマチンに局在したので細胞のクロマチン画分をマングビーンヌクレアーゼで消化してTip60を遊離しR1との結合をIPウェスタンブロットにより証明した。 3、ChIP法に用いるための細胞の樹立。本実験の目的に合う細胞を樹立するために親細胞株に非相同的末端結合(NHEJ)に必須のKu70-/-マウス繊維芽細胞を用いた。この細胞株にGFP遺伝子内に極めてユニークなDNA切断認識部位をもつI-Sce I認識配列を一カ所含むphprt-DR-GFP DNA断片を染色体上に組み込んだ。この細胞を用いてR1がTip60依存的にDNA損傷部位にリクルートされることを示した。 4、Tip60によるR1のDNA損傷部位へのリクルートがDNA修復に必要であるかについて検討した。まずRNR(R1とR2の複合体)の特異的阻害薬であるハイドロキシウレアを投与するとX線によるDNA損傷は修復されないことを確かめた。次にR1をsiRNAを用いてノックダウンしても修復がされないことを確認した。
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