研究課題
膵β細胞小胞体ストレスおよび酸化ストレス応答の特徴の解明膵β細胞の小胞体ストレスおよび酸化ストレス応答を特徴づけるために、β細胞株MIN6を小胞体ストレス誘導物質タプシガルギンおよび酸化ストレス誘導物質砒素に暴露し、タンパクおよびmRNAの発現解析を行った。Integrated stress responseとして知られる共通な応答に加え、酸化ストレス下でのJNK経路の重要性が明らかとなった。また、MIN6細胞とNIH3T3繊維芽細胞を小胞体ストレス誘導物質ツニカマイシン存在下で培養し、mRNAの発現変化を解析した結果、新たな小胞体ストレス応答分子を複数個同定した。膵β細胞ストレス応答を特徴付ける個々の経路の解析ストレス応答における翻訳制御Eif4E/4E-BP1系の役割の解析:in vivoにおける小胞体ストレス下での4E-BP1の役割を検討するため、Eif4ebp1遺伝子破壊マウスとWfs1遺伝子破壊マウスを交配し、Eif4ebp1・Wfs1遺伝子二重破壊マウスを作製した。また、異常インスリン分子の小胞体での蓄積のため糖尿病を発症するAkitaマウスとEif4ebp1遺伝子破壊マウスを交配し、4E-BP1が欠損したAkitaマウスを作製した。それらの解析によって、4E-BP1による翻訳抑制機構が小胞体ストレス下でのβ細胞の生存に重要であることを明らかにした。ストレス応答におけるセリン合成系の役割の解析:ストレス下のMIN6細胞におけるセリン合成系律速酵素3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素(PhGDH)発現増加の役割を明らかにするため、MIN6細胞においてPhGDHの過剰発現などを行い、抗酸化ストレス応答における役割を示唆する結果を得た。
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Cell Metabolism 7
ページ: 269-276
Neuroscience Research (印刷中)
Endocrinology 148
ページ: 2006-2015
http://www.hosp.tohoku.ac.jp/gakujyutu/g05_tounyou.html