研究課題/領域番号 |
19590304
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
大久保 岩男 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80152073)
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研究分担者 |
上山 久雄 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (30127013)
前田 利長 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20250342)
竹内 圭介 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40432306)
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キーワード | 高分子キニノーゲン / 管形成阻害 / ペプチド / アポトーシス |
研究概要 |
(1) ヒト高分子キニノーゲン・ドメイン5(D5)に結合すると予想されるアクチン結合タンパク質アクチニン4の細胞表面上での挙動をヒト骨肉腫株化細胞MG-63で検討した。D5のGST組換え体(GST-D5)やD5由来ペプチドによる細胞接着阻害(CAI)実験後の細胞表面の抗アクチニン4抗体を用いた染色パターン解析より、細胞膜の構造変化を可視化していると考えられ、その意味を検討している。(2) GST-D5が細胞中へ取り込まれ細胞内で作用するかを検討した。一部に非特異的に染色される細胞があり、完全を期すため現在再実験を行っている。(3) アポトーシス誘導能について検討した。CAI実験後のMG-63細胞を用いたアネキシンV法では、GST-D5やD5由来ペプチド存在下と非存在下で差はなかった。より初期のアポトーシス状態をカスパーゼ7や3の活性で測定したが、安定した結果が得られなかった。コラーゲンI型やマトリゲル上での臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)のアポトーシス(16hと24h)も検討したが、結果はMG-63細胞と同様であった。In vitroのアポトーシス実験系ではpHの影響が大きいことが報告されており、D5はHis-Lys Rich proteinと呼ばれ、プラスチャージのアミノ酸が多いことからアッセイ系を検討している。(4) シグナル伝達系については、インテグリンや成長因子受容体の下流にあるAktとERK1/2のリン酸化を検討した。CAI実験後のMG-63細胞では差がなかった。接着阻害ではがれ落ちた細胞で現在検討中である。アクチニン4との関係から、アクチン線維形成に関係するARP2/3についても調べる必要があり、さらに実験を進めているところである。
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