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2008 年度 実績報告書

卵子に特異的に発現する新規maternal effect遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590333
研究機関大阪大学

研究代表者

田代 文  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40136213)

キーワード発生・分化 / 遺伝子 / ノックアウト
研究概要

ES細胞の分化や未分化状態に関与する遺伝子の動態は、初期胚が発生・分化してゆく過程を同一ではなくとも反映しているものと考えられ、これらの遺伝子について解析することは、生体における発生・分化過程を解する上で有用な情報をもたらすものと期待される。未分化ES細胞に特異的に発現する遺伝子のin silicoスクリーニングにより選別したCes5遺伝子を単離し、作製したノックアウト(K.O.)マウスにおいて雌の不妊を認めた。野生型の雄とホモK.O.の雌を用いた体外受精卵において、発生の極めて初期に発生の障害が見られたことから、新規なmaternal effect遺伝子と考えられた。本研究では、Ces5遺伝子の機能を明らかにし、ヒトの不妊治療に貢献できるような知見を得ることを目的として解析をおこなった。
1.ホモK.O.雌由来の胚では受精後の発生が遅延し、免疫染色によりCes5蛋白質は卵の細胞質にやや不均一に存在し、蛋白質の偏りや細胞内構造物との関連などが考えられた。そこで、電子顕微鏡を用いた微細構造の検討を行った。卵巣内の卵胞および卵母細胞に顕著な異常はみられなかったが、より微細な構造を検討すると、細胞質内の繊維状構造物がホモK.O.の卵母細胞で完全に消失していた。
2.排卵された未受精卵を回収し同様な観察をおこなったところ、卵胞内と同様に細胞質内の繊維状構造物がホモK.O.の卵子でも消失していた。
以上の結果より、Ces5は卵の細胞質内に観察される繊維状構造物の構築に関与し、構造体の成分、あるいは構築に必須の蛋白であり、初期胚の発生に重要な役割を持つことが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Sohlh2 affects differentiation of KIT positive oocytes and spermatogonia2009

    • 著者名/発表者名
      Toyoda, S.
    • 雑誌名

      Developmental Biology 325

      ページ: 238-248

    • 査読あり
  • [学会発表] 新規maternal effect遺伝子Ces5のノックアウトマウスの解析2008

    • 著者名/発表者名
      田代 文
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2008-12-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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