研究課題/領域番号 |
19590339
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 貴 東北大学, 医学部, 教授 (10261629)
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研究分担者 |
笹野 公伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50187142)
林 慎一 東北大学, 医学部, 教授 (60144862)
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キーワード | Androgen / Aromatase / Breast Cancer / Tissue Concentration |
研究概要 |
本研究課題に関する、平成19年度の主な研究成果は下記の如くである。 1.乳癌組織におけるアンドロゲン濃度の解析。外科手術で得られた正常乳腺組織(8例)、非浸潤性乳癌(12例)、浸潤性乳癌(12例)におけるエストロゲン及びアンドロゲンの組織濃度をLC-MS/MS法にて測定し、性ホルモン合成酵素の発現と合わせて解析した。その結果、1)非浸潤性乳癌の段階から性ホルモンが活発に局所合成されること、2)非浸潤性乳癌ではアンドロゲンの局所合成が活発であり、乳癌の発育進展に重要な役割を担っていること、3)浸潤性乳癌では非浸潤性乳癌よりもアロマターゼの発現が亢進していること等を明らかにした。この研究成果はEndocr Relat Cancer誌に掲載された(Endocr Relat Cancer.15:113-124,2008)。 2.乳癌細胞におけるアンドロゲン合成とその制御。乳癌培養細胞と乳癌間質細胞を共培養し、性ホルモン合成を検討した。その結果、1)アロマターゼはエストロゲン合成のみならずアンドロゲン合成の抑制にも関与していること、2)アロマターゼの発現は共培養することで発現が亢進すること等を明らかにした。従って乳癌が浸潤する過程でアロマターゼの発現が更に誘導され、アンドロゲン合成よりエストロゲン合成が優位になると推察された。
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