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2008 年度 実績報告書

悪性リンパ腫・白血病のエピジェネテイックな発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590349
研究機関岡山大学

研究代表者

岡 剛史  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50160651)

研究分担者 吉野 正  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70183704)
大内田 守  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80213635)
キーワード悪性リンパ腫 / エピジェネテイックス / DNAメチル化 / 白血病 / HTLV-I / ATLL / MALT lymphoma
研究概要

本研究はこれまでの我々の悪性リンパ腫・白血病の発症機構に関する研究をさらに発展させ特にエピジェネテイックな観点から発症の詳細な機構について解析することが目的である。ATLLをはじめとする様々なタイプの白血病及びMALTリンパ腫,NK/Tリンパ腫をはじめとする各種リンパ腫の患者検体が臨床の医師の御協力の下に集まってきており、これらの検体を用いて更に詳細な解析を行った。ATLLの患者の中には慢性型から急性転化したり又慢性型に戻るような病型を移行する症例がある。我々はその様な症例の検体の蓄積をしており、これらの病型移行がどのような機構で起こっているかマイクロアレイを用いた包括的網羅的解析を発現およびエピジェネテイックな変化について解析した。その結果急性型ATLLとリンパ腫型ATLLにおいては特異的に発現パターンが異なる遺伝子群が同定された。これらの遺伝子群は病型特異的な病態との関連が強く示唆され統計的な解析により有意に臨床検査パラメータとの相関を示した。特にSHPI、DAPK,HCADのメチル化は遺伝子発現とよく対応し病態の変化と有意な相関を示した。急性型ATLLとリンパ腫型ATLLなど病型のちがいが何によって引き起こされているのか,さらに急性転化が起こるときに引き金になっているジェネテイックあるいはエピジェネテイックな変化は何か多くの患者検体を用いてより詳細に検討を進めつつある。さらにATLLの病態進展とよく相関しエピジェネテイックな異常が蓄積される表現型CIMP (CpG island methylator phenotype)も確認された。これまでの腫瘍細胞側のターゲット遺伝子のメチル化とともにHTLV-Iウイルス自身のメチル化が患者様の病態とどのような関連でメチル化が起こっていくのか詳細に解析も現在更に詳細な解析が進行中である。これら一連の結果よりHTLV-Iウイルス感染によりCIMPをはじめとするエピジェネテイックな異常が誘導されているのではないかということが強く示唆された。
MALTリンパ腫において我々は患者検体を用いた解析よりH.Pylori菌の感染がCIMPというDNAの異常メチル化を引き起こしMALTリンパ腫発症及び進展に関与していることを強く示唆するデータを得た。更にMALT発症に伴ってエピジェネテイック内情を起こしている特定の遺伝子群の同定に成功した。これらの遺伝子群を指標により早期に発症を高感度に検出したり、病態のモニタリングを詳細に高精度に行うことができる用になることが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Duodenal follicular lymphomas share common characteristics with mucosa-associated lymphoid tissue lymphomas.2008

    • 著者名/発表者名
      Sato Y, Oka T, Yoshino T., et al
    • 雑誌名

      J Clin Pathol. 61

      ページ: 377-381

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リンパ系腫瘍におけるDNAメチル化異常2008

    • 著者名/発表者名
      岡 剛史, 吉野正
    • 雑誌名

      血液フロンティア 18

      ページ: 1-9

  • [学会発表] 悪性腫瘍とエピジェネテイツクス ; 造血器腫瘍発症・進展におけるエピジェネテイ2008

    • 著者名/発表者名
      岡 剛史
    • 学会等名
      第40回日本臨床分子形態学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-10-04

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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