研究課題
本研究では、アレイCGHを用いて腎細胞癌(CCC)の発症にかかわる遺伝子異常を同定し、さらに病気の進行(悪性化)の過程で付加される遺伝子異常を同定することを目標としている。平成19年度までに、アレイCGH解析によって、14qのlossはhigh-grade CCCで付加されたゲノム異常であることがわかった。また、high-grade CCCでの14qでのコピー数低下は、この領域での遺伝子発現低下に関わっていることが示唆された。そこで、平成20年度では、(1)平成19年度に絞り込んだ増幅領域と欠失領域データベースにより異常の見いだされた部分の遺伝子を検索し、候補遺伝子の絞り込みを試みた。候補遺伝子それぞれについて、症例毎の遺伝子発現の状態をReal-time PCRにより、実際に腎癌で遺伝子の発現が増強あるいは減弱、消失しているかどうかをReal-time PCR kitを用いて調べた。(2)癌抑制遺伝子候補に関しては、腎癌細胞株のなかで候補遺伝子が存在するゲノム領域の欠失している細胞を用いて、それに候補遺伝子を強制発現させ、変化する表現形質(増殖抑制能、アポトーシス誘導能など)を解析した。(3)発現亢進している遺伝子に関しては、候補遺伝子のSiRNAを発現亢進している腎癌細胞株に遺伝子導入し、変化する表現形質(増殖抑制能、アポトーシス誘導能など)を解析した。以上の実験から、いくつかの候補遺伝子が、CCCの悪性化に関わる腫瘍関連遺伝子として示唆された。
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