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2008 年度 実績報告書

深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症の発症における組織因子の関与とその由来

研究課題

研究課題/領域番号 19590356
研究機関宮崎大学

研究代表者

佐藤 勇一郎  宮崎大学, 医学部, 助教 (90347055)

研究分担者 丸塚 浩助  宮崎大学, 医学部, 准教授 (00239154)
畠山 金太  宮崎大学, 医学部, 講師 (60325735)
山下 篤  宮崎大学, 医学部, 助教 (90372797)
浅田 祐士郎  宮崎大学, 医学部, 教授 (70202588)
キーワード静脈血栓症 / 組織因子 / 病理
研究概要

深部静脈血栓症は、下肢や骨盤腔内の静脈血栓が発生する病態であり、肺動脈に閉塞をきたし(肺血栓塞栓症)、重篤な病態を引き起こす。これまで本邦での発生頻度は欧米に比べて著しく低いと認識されていた。しかしエコノミークラス症候群や震災被災地での発生を契機に調査が行われ、本邦においても欧米並みに高い頻度で発生していることが明らかにされてきている。
組織因子(以下TF)は外因系血液凝固反応の開始因子である。申請者らはこれまでにTFが動脈硬化巣に多量に発現し、心筋梗塞剖検症例の検討においても、TFが血栓形成に深く関与することを報告してきた。
組織因子は血管壁と血液中に存在している。血管壁由来のTFは強い凝固活性を有しているが、血中TFにはほとんど活性が認められないことから、血栓形成には血管壁由来のTFが関与すると理解されてきた。しかし、近年、血液中に骨髄由来の前駆細胞が灌流しており、この前駆細胞ならびに活性化炎症細胞から遊離した血中TFが凝固活性を有していることが明らかにされた。さらに急性心筋梗塞や不安定狭心症患者で血中TFの増加が報告され、血液中のTFの機能および血栓形成への関与が注目されている。しかし静脈血栓の形成におけるTFの関与、およびその由来についてはまだ解明されていない。
平成19年度
ヒト剖検肺血栓症および下肢静脈血栓症を免疫組織学的に検討
病理組織学的に検討したところこれらの血栓はフィブリン、血小板で構成される混合血栓であった。また静脈壁の血栓に明らかな組織因子の発現は認められず、また血管壁においても組織因子は外膜の線維芽細胞の一部に発現しているのみであった。
平成20年度
ウサギ静脈血栓モデルを作製した。ウサギ静脈血栓モデルにおいても組織因子の過剰発現は認められなかった。
以上の結果より静脈血栓症における組織因子は発現があまり認められず、動脈血栓症と異なり重要な因子となりえないことが椎測された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Thioredoxin in coronary culprit lesions : Possible relationship to oxidative stress and intraplaque hemorrhage.2008

    • 著者名/発表者名
      Nishihira K, Sato Y
    • 雑誌名

      Atherosclerosis 201

      ページ: 360-367

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hypereosinophilic syndrome associated with occlusive coronary thrombosis and right ventricular thrombus.2008

    • 著者名/発表者名
      Sato Y
    • 雑誌名

      Pathology International 58

      ページ: 138-141

    • 査読あり
  • [学会発表] 血液凝固因子XIは深部静脈血栓症に存在しトロンビン産生を介して血栓の成長に関与する2008

    • 著者名/発表者名
      高橋良咲, 佐藤勇一郎
    • 学会等名
      第31回日本血栓止血学会学術集会
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      20081120-20081122

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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