研究課題/領域番号 |
19590358
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
矢澤 卓也 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (50251054)
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研究分担者 |
奥寺 康司 横浜市立大学, 医学部, 助教 (10326027)
下山田 博明 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60381472)
佐藤 華子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60438132)
北村 均 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (20094302)
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キーワード | Egr-1 / 癌抑制遺伝子 / 癌化 / プロモーター / メチレーション / エピジェネティックス / VEGF-A / 肺癌 |
研究概要 |
肺癌細胞にEgr-1を強制発現させることにより、IGFBP-4,IGFBP-2,NGFI-Abinding protein-2(NAB2),Vascular Endothelial Growth Factor-A(VEGF-A)が誘導された。それぞれの分子はそのpromoterにCpGアイランドを有していることから、種々の肺癌培養細胞および肺癌組織を用い、その発現態度とpromoterのメチル化との関連性について検索した。その結果、IGFBP-4/-2の発現性は肺癌の進行とともに減弱し、それと逆相関するようにIGFBP-4/-2promoterのメチル化が高頻度に起こっていることが判明した。またIGFBP-4/-2promoterのメチル化により発現低下が見られていた肺癌培養細胞にDNAメチル化酵素阻害剤を添加することにより、IGFBP-4/-2の発現は顕著に改善した。一方、前年度の検討により、肺癌培養細胞株においてEgr-1promoterは全くメチル化されていないことが判明していたが、NAB2およびVEGF-A promoterについても更に検索を進めたところ、肺癌培養細胞においてNAB2およびVEGF-Apromoterには全くメチル化が検出されず、さらにEgr-1、NAB2、VEGF-A遺伝子promoterはin vivoにおいても全くメチル化されていないことが判明した。肺癌組織におけるEgr-1、NAB2、VEGF-Aの発現態度を見ると、Egr-1はいずれの症例においても肺癌細胞に高発現しているのに対し、VEGF-Aの発現はNAB2の発現が減弱した癌細胞に強く見られる傾向があった。VEGF-Aの誘導因子として知られているHypoxia-inducible factor-1α(HIF-1α)の発現は検索した肺癌組織内には殆どみられないことから、肺癌細胞におけるVEGF-Aの発現はEgr-1とNAB2により制御されていることが強く示唆された。
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