研究課題/領域番号 |
19590361
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
石田 英和 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10332967)
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研究分担者 |
小西 登 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20145832)
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キーワード | prostate cancer / three-dimensional analysis / DNA microarray / PIN / ductal spreading |
研究概要 |
本研究は前立腺癌の立体構築を解析することで、前立腺癌の組織多様性と多発性について検討することを目的としている。そこで、三次元再構築ソフトウエアを用い、前立腺癌全摘症例を解析した。前立腺におけるGleason grade別の癌組織の分布を示す立体画像をこれまで計9症例(新たに4症例追加)作製した。結果、gradeの高い病巣について、denovoに発生する箇所と、よりgradeの低い領域と連続しておりgradeの低い病巣からのprogressionがうかがえる箇所を選別した。臓器内に多発する各病巣の立体的形状を捉えやずいように、比較的各病巣の広がりが隈局している早期め症例を選択したたあか、grade別に有意に特徴的な病巣の立体的形状は確認できなかった。その他、二次元・三次元下でともに多発していることが確認された病巣以外に、二次元切片では連続性と考えられた病巣が実際には単発性の多発病巣であったり、多発していると考えられた病巣が一部連続していた箇所を新たに確認した。特に"二次元切片では連続性と考えられた病巣が実際は単発性の多発病巣であった"領域につき、多数の癌病巣間で核配列の乱れを伴った不規則に拡張するPIN様の腺管の介在が目立つ症例を認めた。 現在、これらの各部位からtotal RNAを抽出し、DNA microarray法を用いて遺伝子変異を網羅的に検索中で、変異パターンが単発病変と連続病変でどのような差異がみられるかに焦点を絞って解析してゆく予定である。
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