研究概要 |
【研究の目的】:我々は、大腸進行癌を用いて、癌腺管、癌近傍正常腺管、遠位正常腺管に分けて腺管を分離した。遠位正常腺管ではほとんど癌関連遺伝子のメチル化はみられなかったが、癌近傍正常腺管ではSALL4、RASSF2A、SFRP1などがメチル化されていることがあった。一方癌では検索した多くの遺伝子でメチル化されていた。また網羅的なメチル化遺伝子の同定法であるmethylation CpG islands amplification(MCA)法を用い、新しいメチル化候補遺伝子の同定を試みる。また、MSI(microsatellite instability)についても解析を行う。 【研究実施計画】:(平成20年度):解析検体:分化型進行大腸癌30例について解析を行う。 1.腺管分離法:Nakamuraらの方法に従い、腺管を癌組織、正常組織から分離する。(菅井分担) 2.分離腺管の同定及びDNA抽出:実体顕微鏡下(SZX12-3141,Olympus)で正常、及び癌腺管を同定し、ピペットで回収する(図1-a)。(菅井分担) 3.20個の腫瘍もしくは癌近傍正常腺管、遠位正常腺管(10個以上)を回収しDNAを抽出したサンプルとの間で、以下の分子解析を行う。(菅井分担) 4.Microsatenite instabilityの解折15つのマーカー(BAT26、BAT40、D5S346、D17S250、D2S123)を用いてMSIの解析を行う。(菅井、幅野担当) 5.メチル化の解析:癌腺管、癌近傍正常腺管、遠位正常腺管においてメチル化解析(COBRA法)を行う。解析する遺伝子は、MLH-1、p16、MGMT、RASSF2A、SFRP-1、DKK1、SALL4、ZFP64を用いる。新規のメチル化候補遺伝子の同定にはMCA法を用いて行う。(幅野分担) 総合解析:以上のデータを総合的に解析する。(菅井分担) 〔連携研究者〕岩手医科大学・薬学部・准教授、幅野渉、遺伝子解析
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