(1)DNAの抽出と検定:これまで蓄積したサザンブロット法によるデータとの比較は重要なことと考え、膀胱癌組織についてもサザンプロット法用のDNA抽出を行った。しかし、カルノア固定カリオタイプ分析用標本からは、十分なDNA量がえられずジェノフィールド電気泳動法によるDNAの変性の有無やサザンブロット法によるテロメア長の測定ができないことがわかった。 (2)Q-FISHによる分裂中期展開標本のテロメア長測定:カルノア固定で保存されている120サンプルについて、カリオタイプ分析が完了しているものを含めて再度分析を行った。組織学的異型度がG1からのサンプルは2n=46が多く、G2の多くは2n=46、G3の多くは80本程度の染色体数であることがわかった。G1の平均テロメア長は7.1kbpであった。 G2、G3ではカリオタイプの中にモザイクがあり、2n=46と80本が混在している。今後、これらのモザイクサンプルを用いて、2n=46のカリオタイプを示す染色体のテロメア長を求めてG1と比較検討する。
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