研究概要 |
介在板は4通りのパターンを2日ごとに繰り返すことがわかった。4通りの内訳は、第一パターンは生理的な正常心で認められる"短いInterdigitation"、第二パターンは厚い介在板で"1筋節の長さのInterdigitation"を持つ、第三パターンは細かい折れ曲がりを持つ介在板で"1筋節の繰り返す折れ曲がり"である、第四パターンは1筋節はなれたInterdigitationが再び長くなり、あたかも2層の厚い介在板が重なったようになった状態である。このパターンは負荷後6時間(第二パターン)、12時間(第三パターン)、1日(第四パターン)と進行し、2日には再び第一パターンに戻った。このパターンの繰り返しは2日ごとに繰り返していた。我々は第二から第三パターンへ移る"伸びたInterdigitationが短くなる時"に折れ曲がった場所に一つの筋節が生じると推測している。さらに第三から第一パターン移る時に、"伸びたInterdigitationが短くなる時"にちょうど折れ曲がりを修正するように一つの筋節が生じきれいな折れ曲がりのない介在板に戻ると考えている。この繰り返しで筋節がのびていくと推測し、実際の心臓の大きさの変化と心筋細胞の長さを計測した。その結果、家兎心のエコー観察によると左心室の内径は4-5kgの雄で約15.9mmあった。内吻合後1週で18.1mm,2週で19.8mm,4週で20.0mm,8週で21.5mm,16週で21.9mmに達した。心筋細胞の長さは1週で70筋節、2週で75筋節、4週で85筋節に伸びた。おそらく負荷後4週までは一日一筋節の速度で伸び、4週をすぎるとシャント血流による負荷は肥大によりほぼ解消され、血流負荷は代償されていると考えた。
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