研究課題
研究の成果ASC欠損マウスにおけるピロリ菌感染効率、サイトカイン産生、胃粘膜上皮での炎症を調べ、ASCの生体防御への関与を明らかするという目的で研究を行い、下記の結果を得た。1) ASC欠損マウスにおけるピロリ菌感染効率を正常マウスを比較し、サイトカイン産生、胃粘膜上皮における炎症を調べ、ASCの感染、炎症への影響を明らかにした。ASC欠損マウスにおけるピロリ菌の感染効率は、正常マウスに比べ、感染効率が高く、しかし炎症は正常マウスに比べ、軽度であった。2) ASC欠損マウスにおいてはINF-γの誘導因子であるIL-18の産生が無く、結果としてINF-γの産生がなされておらず、宿主感染防御反応が低下していることが明らかになった。3) DMBA投与によって、高率に胃がんを発生するH-rasトランスジェニックマウスとASC欠損マウスを掛け合わせたマウスを作製した。この系を用いてのASCの有無が胃がん発生にどのように影響するかという検討、またTHP-1細胞をLPS等で刺激し、形成されるinflammasomeの分画とその構成分子の検索同定は現在も続行中である。以上、ASCが個体レベルでピロリ菌感染において確かに生体防御に関わること、そしてその機序をASCのカスペース1活性化によるIL-18産生という分子機能を基に説明できたという意義がある。
すべて 2008
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Circulation. 17
ページ: 3079-3087
J. Histochem & Cytochem. 271
ページ: 9-12
J. Hepatology (In press)