研究概要 |
1.本年度あらたに悪性中皮腫細胞株より、mRNAを抽出しcDNAライブラリーを作成した。 2.上記cDNAライブラリーと、前年度に作成したcDNAライブラリーを用いて悪性中皮腫患者胸水中に存在する抗 体と反応するクローンのスクリーニングを行った。 3.1.4×10^5のクローンおよび8×10^4のクローンの一次スクリーニングで16の陽性クローンを得た。二次、三次とスクリーニングを重ね,そのうち高い特異性を有する4a-1aおよび4c-1aの2クローンを得た。 4.クローニングした抗原遺伝子は528bpと560bpであり、塩基配列解析を行った。 5.塩基配列情報をもとにGenebankを用いた核酸データベースのホモロジイー検索を行った結果、4a-1aはヒトクロモソーム6の6 p24.2に位置するPAK1 interacting protein1 (PAK1IP1)の5'側1〜528をコードするクローン であることが判明した。一方、4c-1aは、ヒトクロモソーム5の5q31-q33に位置するリボソーマルタンパクS14(RPS14)の5'側40〜560bpをコードする遺伝子であることが判明した。RPS14には3種のバリアントが存在するが、その共通部分をコードする遺伝子であることが判明した。 6.これらの遺伝子をpQE30発現ベクターに組み込みコンストラクトを作成し、組み換えタンパクの作製を行い、患者血清反応をELISA法で解析する。また組織染色等に使用するモノクローナル抗体の作成実験を進めている。
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