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2008 年度 実績報告書

リンパ脈管筋腫症細胞集塊における細胞接着機構の解明とその治療戦略への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19590406
研究機関順天堂大学

研究代表者

熊坂 利夫  順天堂大学, 医学部, 准教授 (00286709)

研究分担者 瀬山 邦明  順天堂大学, 医学部, 准教授 (10226681)
キーワード肺リンパ脈管筋腫症 / LAM cell cluster(LCC) / リンパ内皮細胞 / 接着因子 / 細胞外マトリックス
研究概要

良性腫瘍であるリンパ脈管筋腫症(Lymphangioleiomyomatosis, LAM)はリンパ脈管筋腫症細胞集塊(LAM cell cluster, LCC)がLAM病変よりリンパ管内皮細胞により覆われたまま分裂遊離することにより、転移播種すると考えられている。LCCは組織学的には、肺、リンパ節組織中に高頻度に認められるが、より重症患者において検出頻度が高い傾向がある。LCCはLAM患者の乳び体腔液(胸水、腹水、心嚢液)から検出される。LCCが検出される頻度については、LAM患者13症例から採取された胸水8検体、腹水8検体、心嚢液1検体、計17検体のすべてからLCCを検出した。LCCは体腔液中0.02〜10個/mlと症例によりかなりのばらつきがあり、大きさは径約50〜100ミクロンであった。検出されたLCCはすべてリンパ内皮細胞により覆われていた。この結果は、LAM病変からLCCが遊離するためにはLAM細胞が発現するリンパ内皮増殖因子であるVEGF-Dがリンパ内皮細胞の増殖を促進することによりLCCが遊離すると言う仮説を支持している。さらに、LAM細胞集塊が形成されるためには、LAM細胞とリンパ内皮細胞に関与する接着因子および細胞外マトリックスがどのように発現しLCCを構成するかを、患者より採取したLCCにおいて検討した。患者LCCではインテグリンファミリーに属するalpha2,4,5の発現がLAM細胞間、リンパ内皮細胞下に認められる一方で、alpha3はリンパ管内皮細胞直下に発現しLAM細胞間では弱かった。さらに細胞外マトリックスであるLaminin, Fibronectinの高度の発現をLAM細胞間に認めた。Lamininはリンパ内皮細胞直下にもよく発現していた。基底膜物質である4型コラーゲンは血管周囲には高度に発現していたが、リンパ管周囲での発現はほとんど認めなかった。以上より、1)LAM細胞はalpha2,4,5-LamininおよびFibronectinにより接着し、2)LAM細胞-リンパ内皮細胞はalpha2,3,4,5,Lamininにより接着していることがわかった。4型コラーゲンはLCCの細胞接着への関与はほとんど見られなかった。これらによりLAM細胞-リンパ内皮細胞相互の接着機構の一端が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 重症肺リンパ脈管筋腫症における中枢気道障害の病理組織学的解析2008

    • 著者名/発表者名
      熊坂利夫, 三谷恵子, 林大久生, 山鳥一郎, 瀬山邦明
    • 学会等名
      日本病理学会総会
    • 発表場所
      金沢市・おもてなしホール
    • 年月日
      2008-05-17
  • [図書] Lymphangioleiomyomatosis : In Lymphangiogenesis and Cancer Metastasis2009

    • 著者名/発表者名
      Seyama K. Kumasaka T, Sato T, Mitani K.
    • 出版者
      Springer London(In press)
  • [備考]

    • URL

      http://kikyoustudy.wordpress.com

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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