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2008 年度 実績報告書

マラリア原虫リガンドの細胞内輸送機構の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 19590428
研究機関長崎大学

研究代表者

金子 修  長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50325370)

キーワード感染症 / 寄生虫 / マラリア / 細胞内輸送
研究概要

本研究では、赤血球侵入型マラリア原虫の細胞内小器官ロプトリーへの輸送シグナルとなるシグナル配列を明らかにし、輸送に関与するタンパク質群および輸送されるタンパク質群を網羅的に明らかにすることを目的とした。メロゾイト期に転写活性を持つ複数のタンパク質のシグナル配列とGFPを融合して発現するコンストラクトを初年度に作成したが発現が確認できなかったため、本年度はプロモーター領域とシグナル配列の間にゲートウェイ組換え部位配列を入れるように、コンストラクト群を新しくデザインして作り直した。各コンストラクトを遺伝子導入し、遺伝子組換え原虫を新しく作り直し、シグナル配列とロプドリーへの輸送の関係を調べるための詳細な局在解析を行う準備を整えた。また、ロプトリータンパク質RhopH2のプロモーターとシグナル配列と融合したタグタンパク質(lnvitrogen社のLumioタグとGFP)を発現する熱帯熱マラリア原虫を作成した。この原虫からタンパク質を抽出しカラムを作成し、タグタンパク質に結合するマラリア分子(輸送に関与する分子候補)を精製する準備を整えた。さらに、研究の過程で細胞内小器官マイクロネームに局在するEBLの輸送シグナルと考えられる領域のCys残基が、ネズミマラリア原虫P. yoelii17X弱毒株では、他のEBL相同体と同様に保存されているが、17XL強毒株ではArg残基に置換しており、また、17XL強毒株でとEBLはマイクロネームに局在していすいことを見出したため、Cys/Arg置換がEBLの異なる局在の原因かどうかを遺伝子改変手法により検討したところ、Cys/Argの置換がEBLの異なる局在の原因であることが確認できた。
このアミノ酸置換により侵入する赤血球のタイプも変化し、その結果、病原性も劇的に変化した。以上より、EBLを標的とするワクチン開発に対する重要な基盤情報を提供した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] マラリア原虫の赤血球侵入の分子基盤2009

    • 著者名/発表者名
      金子修
    • 学会等名
      第7回感染症沖縄フォーラム
    • 発表場所
      那覇
    • 年月日
      20090212-14
  • [学会発表] Erythrocyte-Binding-Like molecule and Virulence of Plasmodium yoelii2009

    • 著者名/発表者名
      Otsuki H, Kaneko O, Thongkukiatkul A, Tachibana M, Iriko H, Takeo S, Tsuboi T, Torii M
    • 学会等名
      43rd Annual U. S. -Japan Joint Conference of Parasitic Diseases
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20090107-20090108
  • [学会発表] マラリアは世界的な問題だけど、科学はどこまで追い詰めてるの?2009

    • 著者名/発表者名
      金子修
    • 学会等名
      第27回日本国際保健医療学会西日本地方会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-02-28
  • [学会発表] Erythrocyte ligand of the malaria parasite and virulence2008

    • 著者名/発表者名
      Kaneko O
    • 学会等名
      The 3rd Nagasaki Symposium on Tropical and Emerging Infectious Diseases, The 9th Nagasaki-Singapore Medical Symposium
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      20081010-11
  • [学会発表] ネズミマラリア原虫の赤血球結合分子EBLの局在と病原性2008

    • 著者名/発表者名
      大槻均、金子修、入子英幸、竹尾暁、坪井敬文、Thongkukiatkul A、鳥居本美
    • 学会等名
      第77回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      20080403-04

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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