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2007 年度 実績報告書

新規アポトーシス抑制因子によるマラリア原虫感染での病態修飾機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590433
研究機関琉球大学

研究代表者

渡部 久実  琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)

キーワードネズミマラリア原虫 / 自然免疫機構 / NKT細胞 / γδT細胞 / マクロファージ / アポトーシス抑制因子 / 原虫の排除 / 貪食能亢進
研究概要

研究代表者は、マラリアワクチン開発の基礎的研究として、マラリア原虫に対する宿主の免疫応答、特に感染防御と病態形成機構における自然免疫系が果たす役割について解析を進めてきた。本研究では、自然免疫担当細胞であるMΦが産生する新規アポトーシス抑制因子(AIM)を欠損するマウス(AIM^<-/->)を用い、マラリア原虫感染におけるNKT細胞及びγδT細胞の活性化機能制御とMΦの関係を明らかにし、新しい視点での感染防御機構だけでなく病態形成の機序についても検討を加えている。
本年度は、現在までの研究成果に基づき、parasitemiaがピークの達するまでの感染前期と原虫が排除される感染後期では自然免疫応答に質的変動が生じるとの観点から解析を行った。AIM^<-/->マウスでは感染後期にNKT細胞と共にγδT細胞が増加し、肝臓と脾臓において腸管上皮内に局在するVγ7細胞の顕著な増加が認められことを、Flowcytometory法からも明らかにできた。また、AIM^<-/->マウスでは感染前期より特異抗体が誘導され、感染後期では高い抗体価が検出されたことから、NKT細胞とγδT細胞の活性化が獲得免疫の誘導へ強い影響をもたらすことが明らかになった。一方、肝臓と脾臓のMΦはAIM^<-/->マウスで減少していたが、MΦのCD36発現は亢進する傾向にあり、貪食能の経時的変動では感染初期より明らかにAIM^<-/->マウスで亢進していた。従って、AIM^<-/->マウスでは感染初期のMΦの貪食能亢進が原虫排除に大きく貢献しており、しかも原虫を貪食したMΦは速やかにアポトーシスにおちいることで肝傷害を軽減していることが強く示唆された。すなわち、マラリアをはじめとする感染症においては、MΦの機能としての貪食作用による病原体の排除やそれに伴う炎症反応の惹起にAIMが関与しており、その機能制御が予防・治療に有効である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Malaria protection in β_2-microglobuiin-deficient mice lacking MHC class Iantigens: Essential role of innate immunity, including γδT cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi, T., Saoko Tachikawa, S., Kanda, Y., Kawamura, T., Tomiyama-Miyaji, C., Watanabe, H., Sekikawa, H. and Abo, T.
    • 雑誌名

      Immunology 122

      ページ: 514-521

    • 査読あり
  • [学会発表] Role of γδT cells inmurine malaria protection in apoptosis inhibitor factor-AIM deficient mice.2007

    • 著者名/発表者名
      Changchun Li, Kaiissar Mannoor, Tomoyo Taniguchi, Hisami Watanabe
    • 学会等名
      第37回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20071120-22
  • [備考]

    • URL

      http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~comb/

  • [備考]

    • URL

      http://w3.u-ryukyu.ac.jp/immunobiology/index.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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