• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

グラム陰性病原細菌の病原分子分泌機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590440
研究機関千葉大学

研究代表者

清水 健  千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (70312840)

キーワード感染症 / 最近 / 分泌 / 細菌毒素 / 腸管出血性大腸菌 / 志賀様毒素
研究概要

腸管出血性大腸菌(EHEC)の産生する志賀毒素1(Stxl)と志賀毒素2(Stx2)は産生時の分布に違いがあり、Stxlは菌体内から検出されるが、Stx2は培養液中に存在する。この分布の違いから、EHECにはStx2に対する特異的な菌体外への分泌機構があることが想定されており、我々はすでにその分泌にはStx2のBサブユニットの31番目のセリン残基が重要なことを報告している。
一方、stx1とstx2遺伝子は共にEHECに溶原化しているλファージファミリーであるStx-ファージゲノムのlate operon内に存在していることが知られている。このことは志賀毒素遺伝子がStx-ファージ誘導に伴って、late遺伝子群の一つである溶菌遺伝子とともに転写されることを示唆している。また、EHECをマイトマイシンCで処理すると、Stx2の産生量は増加するが、Stx1の産生量はほとんど変化しないことも報告されている。これらのことから、Stx2の特異的な菌体外への放出には特異的なStx2-ファージ誘導に伴う、一連のファージ複製機構が関わっている可能性が考えられた。
そこで、そのことを明らかにするために、1)Stx2-ファージにコードされている溶菌遺伝子を欠失した変異株、2)Stx2-ファージ内のstx2遺伝子をstx1遺伝子に置換した変異株を作成し、各々の志賀毒素の分布を解析した。
その結果、1)溶菌遺伝子を欠失した変異株ではStx2は菌体内から検出された。2)stx2遺伝子をstx1遺伝子に置換した変異株ではStx1は菌体外から検出された。これらのことから、Stx2の特異的な菌体外への放出には、Stx2特異的な分泌機構だけではなく、Stx2-ファージ特異的なファージ誘導機構も関与していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Differential entry of botulinum neurotoxin A into neural and intestinal cells.2009

    • 著者名/発表者名
      Aurelic Couesnon
    • 雑誌名

      Cell. Microbiol. 11

      ページ: 289-308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A nasal vaccine comprising B-subunit derivative of Shiga toxin 2 for cross-protection aganst Shiga toxin types 1 and 2.2008

    • 著者名/発表者名
      Takao Tsuji
    • 雑誌名

      Vaccine 26

      ページ: 2092-2099

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸管出血性大腸菌には志賀毒素2に対する2種類の特異的な放出機構がある2009

    • 著者名/発表者名
      清水健
    • 学会等名
      第82回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      名古屋, 名古屋国際会議場
    • 年月日
      20090300
  • [学会発表] A mechanism of Stx2 release from enterohemorrahgic Escherichia coli by a non-secretion system2008

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Shimizu, Yuko Ohta and Masatoshi Noda
    • 学会等名
      43^<rd> Joint Conference on Cholera and Other Bacterial Enteric Infections Panel
    • 発表場所
      Centennial Hall in Kyushu University, Fukuoka
    • 年月日
      20081117-19

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi