研究概要 |
昨年度、蛍光標識蛋白質(lumio)を組み込み、蛍光標識粗換えウイルスの作製を試みたが、上手く蛍光標識することができなかった。そこで、本年度は蛍光蛋白質(Venus)を用いてNS2蛋白質を蛍光標識した組換えウイルスの作製を行った。具体的には、NS1遺伝子とNS2遺伝子を分割するために構築した、NAのパッケージング領域の問にNS2遺伝子を繰み込んだプラスミドを用い、NS2のN末側にVenusの遺伝子を組み込んだ。このプラスミドを用い、9本鎖タイプ(PB2,PB1,PA,HA,NP,M,HA-NA,NS(NS2KO),NA-NS2-Venus)あるいはVSVタイプ(PB2,PB1,PA,NP,M,HA-VSVG,NS(NS2KO),NA-NS2-Venus)のコンストラクトでリバースジェネティクス法を行ったところ、9本鎖タイプのコンストラクトで蛍光標識組換えインフルエンザウイルスを作製することが出来た。本ウイルスをコンフォーカル顕微鏡で観察したところ、感染後24時問にウイルスが周囲の細胞に広がっていく様子が観察できた。しかし、ウイルスの力価が低いことから、リアルタイムでの動態を捉えることは出来ていない。そこで、現在、ウイルス力価をあげるための改良を行っている。
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