研究課題
基盤研究(C)
抗gH抗体カラムにVZV感染細胞抽出液をアプライ後溶出し、抗gH抗体と反応性のある蛋白質を精製した。この精製画分からgHアフィニティカラムを作成した。VZV感染HEL細胞の抽出液をアプライし溶出を精製を試みた。9種類の抗体の内、3種類は相互にavi-tag抗体の結合がブロックされた。他のクローンはホモでのみブロックがかかり、ヘテロではブロックされなかった。また、いずれの抗体の組み合わせも中和活性に関して相乗的に作用するものは認めず、相加的または阻害的に作用した。上記の結果より、4つのクローンのエピトープは極めて接近していると考えられる。他の5つのクローンはホモでのみにブロックがかかり、ヘテロではブロックされなかったことから、これらの抗体の認識エピトープは異なる事が示された。水痘帯状ウイルスのgHの中和の標的domainは1カ所で、少なくとも5カ所のエピトープより構成されていることが予想された。VZV感染後に抗gHヒト型モノクローナル抗体を培地中に添加することにより、約1週間で感染性が消失することが明らかとなった。抗体存在下ではVZV特有の細胞変性も、感染細胞数の増加も認めなかった。VZV-HBs感染28日後にVZV野生株を感染させ、一旦ウイルスを増殖させた後、cell-free virusをHEL上に重層したところ、アシクロビル存在下でVZV-HBsによるプラーク形成が認められた。このことはVZV-HBsが潜伏感染していたことを示唆する。感染細胞を抗gH中和抗体で処理することにより、やがて感染性は完全に消失し、種々の刺激でも容易に復帰しない状態へと移行した。これは潜伏感染に類似した状態であることが示唆された。それゆえ、抗gH抗体は水痘および帯状疱疹の予防・治療に極めて有用であるといえる。
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