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2007 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルスの粒子産生機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590472
研究機関京都大学

研究代表者

土方 誠  京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (90202275)

キーワードC型肝炎ウイルス / 感染 / 脂肪滴 / 肝炎 / ウイルス粒子
研究概要

我々は国内外のグループが共同で2005年に開発に成功した組換え体感染性C型肝炎ウイルス(HCV)の感染性粒子産生実験系を用いてこれまで全く不明だったHCVのウイルス粒子産生機構の解析をおこなった。これまでに電子顕微鏡による観察から、HCVコアタンパク質は脂肪滴膜表面に局在化しているが他のHCVタンパク質は脂肪滴周辺の近傍膜構造に局在化していること、そして、ウイルス粒子は脂肪滴とその近傍膜構造が接する領域からその膜構造内へ出芽しているを示した。このことから感染性HCV粒子の形成そのものが脂肪滴周囲で行われていることが明らかとなった。この結果はこれまでに報告のない新規の事実を明らかにしたことになり、脂肪滴の新たな機能の発見にも繋がる重要な結果と考えられる。そこでこの脂肪滴周囲における感染性ウイルス産生機構の詳細をさらに解析するため、ウイルスゲノム複製は可能であり、コアタンパク質も野生型組換え体感染性HCVと同一であるが感染性ウイルスを産生しない変異体型組換え体HCV複製細胞と組換え体感染性HCV産生細胞から細胞分画法によってそれぞれの脂肪滴画分を精製してその構成タンパク質の比較をおこなった。ウイルスタンパク質に関してはイムノブロット法による検出は可能であったが、現時点ではタンパク質染色による検出はできていない。また野生型と変異型の脂肪滴画分間で著しく存在量の異なる細胞側タンパク質は今のところ同定されていない。ただイムノブロット法による検出結果からは精製脂肪滴画分中のコアタンパク質の量が野生型と変異型間で著しく異なっていた。現在、この現象に機能する細胞側の因子についてさらに詳細な検討を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The lipid droplet is an important organelle for hepatitis C virus production.2007

    • 著者名/発表者名
      Miyanari Y., Atsuzawa K., Usuda N., Watashi K., Hishiki T., Zayas M., Bartenschlager R., Wakita T., Hijikata M., Shimotohno K.
    • 雑誌名

      Nature Cell Biology 9

      ページ: 1089-1097

    • 査読あり
  • [学会発表] C型肝炎ウイルス(HCV)粒子産生と脂肪小滴2007

    • 著者名/発表者名
      宮成悠介、厚沢季美江、臼田信光、土方誠、下遠野邦忠
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会/第80回日本生化学会大会(合同大会)
    • 発表場所
      横浜(パシフィコ横浜)
    • 年月日
      2007-12-15

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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