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2008 年度 実績報告書

HLAアリル多型性とT細胞の抗ウイルス機能

研究課題

研究課題/領域番号 19590479
研究機関熊本大学

研究代表者

上野 貴将  熊本大学, エイズ学研究センター, 准教授 (10322314)

キーワードHLAクラスI / 細胞障害性T細胞 / HIV / Nef / 安定性
研究概要

本研究では、HLAアリル多型性がT細胞の抗ウイルス機能に与える役割を明らかとするとともに、このシステムにウイルス因子が及ぼす影響を解析する。本年度は、HLA-B35拘束性の2つのNefエピトープに対するHIV特異的CTLの抗ウイルス活性を解析するとともに、抗ウイルス活性の違いをもたらす要因について検討した。その結果、以下の3点を明らかにした。
1.感染早期に主要な応答を示したVY8エピトープに特異的なCTLの抗ウイルス活性は非常に強く、慢性期に主要なRY11エピトープに特異的なCTLの抗ウイルス活性は弱かった。
2.それぞれのエピトープに特異的なCTLからT細胞レセプター(TCR)をクローニングし、TCRを再構築して、TCRと抗原ペプチドの相互作用を解析したが、エピトープ間で大きな違いは見いだせなかった。
3.一方、HLAクラスI分子からのエピトープペプチドの解離を調べたところ、エピトープ間で大きな違いが認められた。VY8エピトープの方がHLAクラスI分子からの解離が顕著に遅く、非常に安定な複合体を形成していることが分かった。
このように、ペプチド配列が重複する良く似た2つの抗原ペプチドに対するCTL応答を解析することにより、ペプチド・MHC複合体の安定性が、TCRによる抗原認識を通じて、HIV特異的CTLの抗ウイルス活性に大きく影響することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Impact of intrinsic cooperative thermodynamics of peptide-MHC complexes on antiviral activity of HIV-specific CTLs2009

    • 著者名/発表者名
      Chihiro Motozono
    • 雑誌名

      Journal of Immunology in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CTL-mediated selective pressure influences dynamic evolution and pathogenic functions of HIV-1 Nef2008

    • 著者名/発表者名
      Takamasa Ueno
    • 雑誌名

      Journal of Immunology 180

      ページ: 1107-1116

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Determination of a major histocompatibility complex class I restricting simian immunodeficiency virus Gag241-249 epitope2008

    • 著者名/発表者名
      T. Tsukamoto
    • 雑誌名

      AIDS 22

      ページ: 993-994

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗原ペプチド・ MHC複合体の安定性はT細胞の抗ウイルス機能に影響する2008

    • 著者名/発表者名
      本園千尋
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20081201-20081203
  • [学会発表] ヒト免疫監視システムとHIVの適応馴化2008

    • 著者名/発表者名
      上野貴将
    • 学会等名
      第22回日本エイズ学会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター
    • 年月日
      20081126-20081128
  • [学会発表] The effects of CTL-escape conferring mutations on Nef's pathogenic functions in primary macrophages2008

    • 著者名/発表者名
      Philip Mwimanzi
    • 学会等名
      第22回日本エイズ学会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター
    • 年月日
      20081126-20081128
  • [産業財産権] 特許権2008

    • 発明者名
      熊谷泉
    • 権利者名
      同左
    • 産業財産権番号
      特願2008-135007
    • 出願年月日
      2008-05-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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