研究課題
【目的】MHC classII(MHCII)分子を介する抗原提示機能にユビキチン(Ub)が重要な働きをすることが報告されている。そこで、Ub化された蛋白質の小胞輸送に重要な働きをするSTAM1/2の抗原提示機能における役割を明らかにする。【結果】野生型ならびにSTAM1/2二重欠損樹状細胞に抗原を取り込ませて、in vitroにおける抗原提示機能を調べたところ、STAM1/2二重欠損樹状細胞において抗原提示機能の増強が見られた。また、細胞表面上のMHCIIの発現をフローサイトメトリーで、またタンパク量をウエスタンブロット法デ調べたところ、野生型に比べ、STAM1/2二重欠損樹状細胞においてMHCIIの発現の亢進ならびにタンパク量の亢進が見られた。しかしながら、このとき、MHCIIのmRNA量は野生型と差が見られなかったことから、蛋白合成後の過程に関与していることが示唆された。そこで、MHCII蛋白の分解について調べたところ、野生型に比べ、STAM1/2二重欠損樹状細胞においてMHCIIの分解遅延が認められた。以上のことから、STAM1/2は蛋白合成後のMHCIIの分解に関与して、抗原提示に重要な働きをしていることが明らかとなった。
すべて 2008
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Am. J. Pathol 173
ページ: 1806-1817
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ページ: 2229-2240