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2007 年度 実績報告書

細菌性抗原受容体NOD2の活性化による腸管免疫制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19590495
研究機関京都大学

研究代表者

渡邉 智裕  京都大学, 医学研究科, 助教 (40444468)

キーワード自然免疫 / クローン病 / サイトカイン / NOD2 / TLR / IRF4 / NF-kappaB
研究概要

平成19年度において、研究代表者はIn Vitro及びIn Vivoの実験を行った。まず、ヒト樹状細胞を用いたIn Vitroの系においてはNOD2 ligandであるmuramyl dipeptide (MDP)で前刺激した細胞では、引き続いてTLR2,3,4,5,9 ligandsで刺激した際に、炎症性サイトカインの産生がMDPで刺激しなかった場合と比べ、著明に減少することを見出した。その分子機序としては、NOD2の活性化により誘導されたIRF4がTLRシグナル伝達分子であるMyD88,TRAF6,RICKに結合し、下流のNFkappaBの活性化を抑制するためであることを証明した。さらに、腸炎モデルを用い上記の結果を検証した。MDPを全身投与され、NOD2を活性化されたマウスでは引き続いてdextran sodium sulfate (DSS)で実験腸炎を誘導しても、腸炎の発症が抑制されることが判明した。NOD2が活性化され、腸炎が抑制されたマウスの腸管細胞ではTLR ligands刺激による炎症性サイトカインの産生が著明に減少していた。腸炎抑制の分子機序としてはIRF4のシグナル伝達経路が重要であることがIRF4欠損マウスを用いた解析で明らかとなった。これらの結果により、NOD2の活性化が多くのTLRシグナル伝達経路を抑制すること、その分子機序としてはIRF4の活性化に依存することが明らかとなった。また、MDPの投与はIRF4の活性化を介して、腸管免疫の恒常性を保ち、腸炎の発症を抑制していることも合わせて判明した。これらの研究実績はNOD2の活性化を利用した炎症性腸疾患の新規治療法の開発において、大きな前進をもたらすものであると考える。平成19年度の業績を研究代表者は第一著者として、Jouranal of Clinical Investigationに発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Muramyl dipeptide activation of NOD2 protects mice from experimental colitis2008

    • 著者名/発表者名
      Watanabe T, et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation 118

      ページ: 545-559

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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