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2008 年度 実績報告書

PI3K-p38MAPK経路による樹状細胞機能の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 19590499
研究機関関西医科大学

研究代表者

松田 達志  関西医科大学, 医学部, 准教授 (00286444)

キーワードPI3K / 樹状細胞 / IL-10 / mTOR / IL-12 / Akt
研究概要

免疫系は、微生物をはじめとした種々の異物の侵入・増殖の危機から個体を守るために、様々な免疫担当細胞からなる協調的なネットワークを形成している。中でも自然免疫系と獲得免疫系の橋渡し的存在である樹状細胞は、免疫系の司令塔であるT細胞に抗原を提示すると同時に種々のサイトカインを生産することで、免疫系がTh1反応(細胞性免疫反応)を示すか、Th2反応(液性免疫反応)を示すかを規定する役割を担っている。Th1/Th2バランスに影響を与えるサイトカインの一つとして樹状細胞の生産するIL-12が挙げられ、申請者はPI3K経路が樹状細胞においてIL-12生産を負に制御している事を明らかにしている。本年度は、PI3K経路によるIL-12発現の負の調節機構の分子基盤解明を目指し、網羅的な解析を行った。
PI3Kの活性化は、Aktの活性化を介して、mTORの活性化やGSK3βの不活性化等、各種シグナル伝達分子の活性制御を引き起こす。一方、遺伝子改変マウスの解析からp38MAPK経路がIL-12の生産を正に調節していることが明らかとなっている。各種の阻害剤を用いた解析の結果、mTOR経路が抑制性サイトカインであるIL-10の発現を介してIL-12生産を負に制御するのに対し、GSK3経路ならびにp38 MAPK 経路はIL-12の遺伝子発現を直接正に制御していることが明らかとなった。PI3K経路は、mTOR経路・GSK3経路非依存的にp38 MAPK 経路の活性を負に制御することから、これら3つのシグナル伝達経路を介して、複合的にIL-12生産制御に関わることが示された。PI3K経路はRhoファミリー分子を介してp38 MAPKの活性化を正に制御するものと考えられているが、われわれのデータは、樹状細胞に全く新規のMAPK活性制御機構経路が存在することを強く示唆している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Critical role of class IA PI3K for c-Rel expression in B lymphocytes.2009

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Matsuda, et al.
    • 雑誌名

      Blood 113

      ページ: 1037-1044

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 樹状細胞のシグナル伝達2009

    • 著者名/発表者名
      大谷真志, 小安重夫, 松田達志
    • 雑誌名

      肝胆膵 58

      ページ: 185-192

  • [雑誌論文] mTOR and GSK3 differentially regulate LPS-induced IL-12 production in dendritic cells.2008

    • 著者名/発表者名
      Masashi Ohtani, et al.
    • 雑誌名

      Blood 112

      ページ: 635-643

    • 査読あり
  • [学会発表] mTOR and GSK3 differentially regulate LPS-induced IL-12 production in dendritic cells.2008

    • 著者名/発表者名
      Masashi Ohtani, et al.
    • 学会等名
      第10回国際樹状細胞シンポジウム
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20081001-20081005
  • [学会発表] T細胞におけるIL-2発現に関わるPI3Kγの役割2008

    • 著者名/発表者名
      高山源介、 松田達志、小安重夫
    • 学会等名
      第18回Kyoto T cell Conference
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20080613-14
  • [学会発表] class IA PI3K経路はB細胞におけるc-Relの発現制御に関与している2008

    • 著者名/発表者名
      松田達志
    • 学会等名
      基生研研究会「リン酸化シグナルの統合的解明を目指して」
    • 発表場所
      岡崎
    • 年月日
      20080418-20080419
  • [備考]

    • URL

      http://www3.kmu.ac.jp/bioinfo/index.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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