研究分担者 |
木下 正信 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (10204950)
妹尾 淳史 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (00299992)
井上 薫 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (90259143)
山田 拓実 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (30315759)
谷村 厚子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (70315761)
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研究概要 |
多専門学生における相互作用を基盤とした意識変化と行動変容を基にセミナー(演習)形式をさらに進化させたInter-professional臨地実習(以下, IP臨地実習)を実施した。研究目的として, IP臨地実習参加学生の自己の専門性に対する意識の変化がどういった効果をもたらすのかを検証し(多様な問題解決能力,専門性における交互作用の観点から), IP臨地実習に参加していない学生群との比較から, IP臨地実習の教育的効果について分析を加える。研究の実施方法として,首都大学東京健康福祉学部の看護,理学療法,作業療法,放射線の4学科学生21名と,自治医科大学医学生1名,慶応義塾大学薬学部学生3名の混成による4グループを編成し,合同で5日間の病院・施設実習(IP臨地実習)を実施した。 IP臨地実習の実施前後には,参加学生に対する一般的アンケートならびに今回開発されたInter-professional Aptitude Test(IPAT:連携適性検査)を実施した。評価内容は,(1)自己の専門性に対する意識,(2)臨床における多様な問題解決能力,などである。その結果,一般アンケートにおいて,参加しない学生群とは「自己の専門に対する意欲」「他の専門に対する理解と関心」で有意差がみられ,「自己表現」「修得した知識」ではやや複雑な結果を示したが,他の専門職とのグループワークを体験した自信と満足感が将来への期待と正相関を示した。 IPATでは,その信頼性と妥当性が確認され,一般アンケートでは得ることが困難であった「学習の程度と理解」を明らかにすることが可能となった。保健医療福祉系大学において連携教育(IPE)が定着するための条件設定としては,教員の質的担保,教育予算・時間,カリキュラム構成の構造変化,などが挙げられ,今後の課題としては,教員の意識改革,特に各専門領域の閉鎖性と競争意識などが挙げられた。
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