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2008 年度 実績報告書

セレウス菌による血流感染症アウトブレイクの研究:原因の解明と対策の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19590519
研究機関自治医科大学

研究代表者

林 俊治  自治医科大学, 医学部, 講師 (40260765)

研究分担者 平井 義一  自治医科大学, 医学部, 教授 (00127581)
森澤 雄司  自治医科大学, 医学部, 准教授 (70302685)
キーワードセレウス菌 / 血流感染 / アウトブレイク / リネン汚染 / 洗濯機汚染 / 細菌芽胞 / 消毒薬耐性 / 輸液ルート管理
研究概要

本研究を始める端緒となった平成18年のセレウス菌血流感染症アウトブレイクを臨床感染症学的に解析した結果、セレウス菌の芽胞によるリネン汚染と輸液ルート管理の不手際がアウトブレイクの発生に重要な役割を果たしていたことが判明した。リネンの汚染はリネン用洗濯機がセレウス菌に高度汚染にされていたことによって起こっていた。また、パルスフィールド電気泳動法によって菌株の遺伝子解析を行ったところ、複数のセレウス菌株によって、今回のアウトブレイクが起こっていたことが判明した。
次に、我々はセレウス菌に汚染されたリネンや手指から菌を除去する方法の検討を行った。リネンから完壁にセレウス菌を除くには、オートクレーブによる湿熱滅菌処理を行う必要がある。しかし、この処理を全てのリネンに対して行うことは現実的ではない。そこで、リネンよりセレウス菌を除去するための洗浄方法を検討したところ、通常の洗剤による洗浄と清浄な水による濯ぎのみで、リネンよりセレウス菌をほとんど除去できることが判明した。
つまり、洗濯機がセレウス菌に汚染されていなければ、リネンのセレウス菌汚染は起こらないと考えられる。また、セレウス菌に汚染された手指から菌を除去する方法として、各種の手指用消毒薬は全て無効であり、洗剤による菌の物理的除去が必要であることが判明した。これはセレウス菌の芽胞が各種消毒薬に対して耐性であることによる。
さらに、我々は複数の医療施設よりリネンサンプルを提供してもらい、セレウス菌汚染の広域調査を行った。この調査の結果、洗濯機の管理方法の違いによってリネンのセレウス菌汚染のレベルが大きく異なることが判明した。また、気温の上昇が洗濯機の汚染、さらにはリネンの汚染をもたらす傾向が認められた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Bacillus属によるリネン汚染を解析するための培地の比較検討2009

    • 著者名/発表者名
      林俊治, ほか
    • 雑誌名

      臨床検査 53(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] セレウス菌(Bacillus cereus)-見逃していませんか? その発熱の原因-2008

    • 著者名/発表者名
      笹原鉄平, 林俊治, ほか
    • 雑誌名

      INFECTION CONTROL 17

      ページ: 1076-1080

  • [学会発表] 複数の医療施設を対象としたリネンのセレウス菌汚染調査2009

    • 著者名/発表者名
      林俊治, ほか
    • 学会等名
      第24回日本環境感染学会総会
    • 発表場所
      横 浜
    • 年月日
      20090227-20090228
  • [学会発表] 洗浄方法の違いによるセレウス菌汚染リネンからの芽胞除去効果の比較検討2009

    • 著者名/発表者名
      笹原鉄平, 林俊治, ほか
    • 学会等名
      第24回日本環境感染学会総会
    • 発表場所
      横 浜
    • 年月日
      20090227-20090228

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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