本年度は米国でヘルスリテラシー評価ツールとして用いられているThe Rapid Estimates of Adult Literacy in Medicine (REALM)やTest Of Functional Health Literacy in Adults(TOFHLA)等に加え、本邦の国立国語研究所「病院の言葉」委員会において公開された「病院の言葉を分かりやすくする提案」を参考にして日本語の評価ツールの開発を行った。 また、米国立がん研究所(編)「ヘルスコミュニケーション実践ガイド」を邦訳して、わが国におけるヘルスコミュニケーション、ヘルスリテラシーの実践における啓発を行った。さらに、くすりの適正協議会(RAD-AR)が、米国USPC(United States Pharmacopeial Convention Inc.)のピクトグラム(絵文字)を参照して、ヘルスコミュニケーションの取り組みの一環として、絵表示でわかりやすく情報(RAD-AR医薬品の取り扱いのピクトグラムhttps://www.rad-ar.or.jp/02/08_pict/08_pict_index.html)を公開しているが、このRAD-ARの「くすりのコンコーダンス指向くすりのしおり専門委員会」委員として参画し寄与した。 いずれの取り組みも、ヘルスリテラシーが健康度と深く関わることを意識した取り組みであり、今後も引き続き、わが国のヘルスリテラシー格差やヘルスコミュニケーション不足が予防や医療の効果に差を生みだす可能性などについて十分検討する必要がある。
|