研究概要 |
1)肺特異的なp38活性亢充進をテトラサイクリン摂取依存的に誘導するために2系統のトランスジェニックマウスを作出すべく、以下の2つのトランスジーンを作成した。 (1)MKK6-c.a.(p38の活性充進を促す変異体遺伝子:p38を特異的に活性化するリン酸化酵素であるMKK6を点変異により常時活性型としたもの:N末にHA-Tagを付加している)遺伝子を、Tet受容体応答遺伝子(TRE)/CMVプロモーターのfuse遺伝子の下流に配したトランスジーン。 (2)Tet受容体遺伝子(TetR)とVP16のキメラ遺伝子を、ヒト・サーファクタント蛋白(SP)-Cプロモーターの下流に配したトランスジーン。現在、それぞれのトランスジーンをc57Black6Jマウスの受精卵にマイクロインジェクションし偽妊娠マウスに着床させ、トランスジェニッグマウスの誕生を待つ段階である。誕生したフナウンダーマウスのトランスジーンを検出するRCRプデイマー等の条件は検討済みであり、計算上1-60コピー数のトランスジーンを内因性ジーンとともに検出可能である。 2)新たなp38阻害薬となりうるペプチド:MEF2AのD-domaipに対応する15アミノ酸残基(SRKPPLRWIPPSSK)をコアとして,そのN末にHIV由来のTat蛋白のprotein transducqtion domain(PTD)に対応する10アミノ酸残基(RRRQRRRKKR)を,また,C末にendosomal trap阻害効果を有するインフルエンザウィルス血液凝集素蛋白由来の20アミノ酸残基(GDIMGEWGNEIFGAIAGFLG)を配したキメラペプチドをデザインした.ジョイント部のペプチドアームをグリシンとし,各1,2と変えたペプチドを作成した。このペプチドにp38活性阻害作用があるがどうかを,培養細胞を用いた系で今後検討していく。
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