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2008 年度 実績報告書

炎症性肺疾患の発症分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19590529
研究機関千葉大学

研究代表者

粕谷 善俊  千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (70221877)

キーワード炎症性肺疾患 / p38MAPK / COPD / 間質性肺炎
研究概要

本研究は、免疫・炎症作用を司る蛋白分子群ネットワークの産生制御の中心に位置するp38MAPK(p38)に着目し、p38の活性を肺胞特異的に上昇もしくは低下させるトランスジェニック(TG)マウスを作出し、それらTGマウスを用いて、未だ有効な治療法のない炎症性肺疾患の発症分子機構を解明し、新たな治療法の探索を目的とした。
<テトラサイクリン誘導性肺特異的p38活性上昇マウスの作出>(1)テトラサイクリン(Tet)受容体遺伝子をSP-Cのプロモーターを用いて肺胞特異的に導入したマウス(SP-C-rtTA/TG)(2)Tet受容体応答性プロモーター(TRE)遺伝子の下流にMKK6-c.a. (p38の活性亢進を促す変異体遺伝子:p38を特異的に活性化するリン酸化酵素であるMKK6を点変異により常時活性型としたもの)を配したトランスジーンを導入したマウス(TRE-MKK6-c.a./TG)を作出する。この両者を掛け合せたマウスにドキシサイクリン(Dox:Tetの誘導体)を溶解した飲水を与えることで、肺胞特異的に、Dox濃度依存的にMKK6-c.a.トランスジーン発現量のコントロールが可能となる。そこで、それぞれのTGマウスの作出を試み、すでに5ラインのSP-C-rtTA/TGを得たが、TRE-MKK6-c.a.遺伝子の単独導入ではTGの作出に至らなかった。その原因として、MKK6-c.a.遺伝子のleakageが発生段階に影響し胎生致死を促すことが想定されたため、TRE-MKK6-c.a.遺伝子の受精卵への導入時にTREサイレンサー(tTS)遺伝子を共導入し、TREの自発的なバッググランド活性を抑制しMKK6-c.aのleakageを阻害することを試みた(TRE-MKK6-c.a./tTS/TGの作出)。この方法により、1ラインのTRE-MKK6-c.a./tTS/TGを得ることが出来た。一方、すでに作出していた肺特異的p38活性常時低下TGマウスを用いた解析から、肺胞内p38活性を抑えることで薬物による間質性肺炎誘導に病理的・機能的に抵抗性を示すことを確認した。今後、これらのマウスを用いて慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎の治療に通じる分子基盤を構築していきたい。本研究は社会貢献に直結すると期待できる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The utilization of gene targeting models during in preclinical study of drug discovery process-example of phenotypic and functional analysis of Cacna1beta gene product.2009

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto N, et al.
    • 雑誌名

      Curr. Pharmacol. Biotechnol. 10

      ページ: 261-267

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Arginine methylation of FOXO transcription factors inhibits their phosphorylation by Akt.2008

    • 著者名/発表者名
      Yamagata K, et al.
    • 雑誌名

      Mol. Cell 32

      ページ: 221-231

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oxidative stress-induced ubiquitination of RCAN1 mediated SCFbeta-TrCP ubiquitin ligase.2008

    • 著者名/発表者名
      Asada S, et al.
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Med. 22

      ページ: 95-104

    • 査読あり
  • [学会発表] EAEにおけるp38の役割2009

    • 著者名/発表者名
      並木香奈
    • 学会等名
      第82回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] 未知のモルモットβ-adrenergic receptor遺伝子のクローニングとその機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      高橋裕美
    • 学会等名
      第82回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-03-17
  • [備考]

    • URL

      http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/bunsiseitai/index.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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