研究概要 |
1 人間ドック受診者を対象とした研究 4,335名に副作用既往歴に関する問診票を送付し、回答率は64.4%(男性1,629名、女性1,126名、平均年齢51.9±10.0歳)であった。副作用既往者は261名(回答者の9.3%)で男性(6.1%)に比べて女性の頻度(14.1%)が高く(オッズ比2.5、P<0.001)、重症例(0.9%)も女性に多かった(オッズ比3.0、P=0.012)。内訳は医療用医薬品221例(男性5.0%、女性12.3%、P<0.001)、OTC薬34例、サプリメント7例、健康食品4例であり、全て女性の頻度が高かった。45.0%が副作用を再発し、23.0%(男性10.4%、女性30.8%、P<0.001)に複数の起因薬物を認めた。本研究により副作用発現の性差が重要な臨床的課題であることを示した。(現在論文作成中) 2 てんかん患者を対象とした研究 (1)クロバザム治療については、CYP2C19欠損によるN-デスメチルクロバザムの薬物動態への影響を確認し、詳細な病歴収集と解析から薬理効果・副作用発現(薬力学)への影響を証明し、遺伝子多型-薬物動態-薬力学の関係を明確にした。(pharmacogenomics、in press)(2)カルバマゼピンとバルプロ酸に起因する肝障害双方において、GSTM1欠損が危険因子となることを示した。(Pharmacogenomics 2007;JPP 2008)(3)治抵抗性てんかんにおけるMRP2遺伝子型の検討では、C-24T、G1249A、C3972T多型が治療効果に関係しないことを示した。(JPP、in press)(4)一方で、カルバマゼピンの治療効果にSCN1A遺伝子多型が影響することを示した。(Br J Clin Pharmacol,in press)
|