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2007 年度 実績報告書

シトルリン化フィブリノゲンの凝固・線溶機能異常とその病因との関係

研究課題

研究課題/領域番号 19590551
研究機関信州大学

研究代表者

奥村 伸生  信州大学, 医学部, 教授 (60252110)

研究分担者 寺澤 文子  信州大学, 医学部, 助教 (40109210)
キーワードシトルリン化フィブリノゲン / フィブリン重合反応 / フィブリノペプチド放出反応 / フィブリン架橋反応
研究概要

リコンビナントフィブリノゲンをウサギ筋肉ペプチジルアルギニンデイミナーゼによりシトルリン化させた。その結果はSDS-PAGE後にAnti-Citrulline(Modified)Detection Kitを用いたウエスタンブロッティングで確認した。
シトルリン化フィブリノゲンのトロンビンによるフィブリン重合反応を行ったところ、まったく重合を観察できなかった。そこでトロンビンによるフィブリノペプチド放出試験を実施した。その結果、FPAおよびFPB放出ともにトロンビン濃度を通常条件の83倍として3時間反応してもまったく観察できなかった。しかし、血液凝固第XIII因子によるフィブリノゲンγ鎖架橋反応の開始時間は、対照の正常フィブリノゲンの2分に対し、遅延しているものの5分であった。さらに、プラスミンによるフィブリノゲン分解反応の阻害試験を行った結果では、シトルリン化フィブリノゲンにおいてもFPA放出後のAα鎖のN末端であるいわゆる"A"knobの結合部位であるいわゆる"a"holeと低親和性Caイオン結合部位の機能は、正常対照と大きな差がないことが明らかになった。一方、シトルリン化フィブリノゲンはトロンビンによりフィブリン重合反応がまったく起こらなかったため、生成フィブリン塊のプラスミンによる溶解試験は行うことが出来なかった。
以上の結果より、シトルリン化フィブリノゲンはトロンビンの切断部位であるAα鎖16Arg-17GlyおよびBβ鎖14Arg-15GlyのArgがシトルリン化されたために、フィブリノペプチドの放出が起こらないことにより、重合反応が起こらないことが明らかになった。しかし、それ以外の機能は概ね大きな影響を受けないことが推測された。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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