| 研究概要 |
コンピュータで音声呈示課題のプログラムを作成した。また、LORETA(low-resolution brain electromagnetic tomography)解析のためのプログラムを入手して、事象関連電位成分の従来の解析方法だけではなく、LORETAでの解析も行えるようにした。聴覚情報処理に対してボタンを押し反応する課題において,反応の抑制の際の事象関連電位のNoGo N2成分、NoGoP3成分について検討した。単純なオッドボール形式で刺激呈示した場合には、NoGoN2成分は明確ではなかったが、S1-S2の刺激対で刺激呈示をした場合には、NoGo N2成分は明確に認められ、頭皮上分布は視覚呈示刺激課題の際認められるNoGo N2成分と異なった。従来のオッドボール課題などによる検討では、聴覚呈示課題では、NoGo N2はほとんど認められないと報告されてきたが、先行するCueがある場合には,より課題に注意が向けられるなどオッドボール課題施行時と異なる情報処理過程を反映して、S1-S2の刺激対で刺激呈示課題ではNoGo N2が明らかであること、また、NoGo N2は聴覚刺激時には、視覚呈示課題と異なる頭皮上分布を示し、下前頭側頭部にも電極を装着して記録した場合にはNoGo N2と同じ潜時の陽性波のNoGo P2が認められる。刺激の種類や呈示課題の呈示方法の違いにたいして、それぞれ異なる情報処理過程を反映して、反応および反応の抑制が行なわれることを示した。
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