研究概要 |
(1)呈示刺激に対する課題施行時における、事象関連電位成分の特徴や起源の検索のため、頭皮上電位分布の解析だけではなく低解像度脳電磁図(low-resolution brain electromagnetic tomography : LORETA)解析を行なう。 (2)光トポグラフィーでの記録も可能となったので、健康成人で、光トポグラフィーでの記録を行い、脳波、事象関連電位成分との関連を検討する。 (3)健康成人、高次脳機能障害患者で、各呈示課題および呈示刺激に対する課題施行時における事象関連電N1, P2, P3a, P3b, Nogo N2、 Nogo P3、N400、P600成分などとともにLORETA解析を含め検討を行ない、その特徴を明らかにする。 (4)事象関連電位成分、LORETA解析、光トポグラフィーでの解析所見のそれぞれの関連を含めて検討を行なう。 (5)痛覚や温度覚に関する小径有髄繊維なども含めた体性感覚を評価するため異なる周波数5Hz,250Hz,2000Hzの微弱な電流による電流知覚閾値と脳内での感覚情報処理との関係を明らかにするため、電流知覚閾値検査施行中の光トポグラフィー検査を同時記録し、小径有髄線維が関わる知覚認識時の脳内の情報処理過程を検討する。従来の体性感覚大脳誘発電位の後期成分など大径有髄線維が関わる感覚の脳内情報処理過程との違いを検討し、患者の知覚過敏や疼痛など主観的な知覚障害の訴えとの関係や知覚過敏や疼痛などの数量的、客観的な評価を試みる。
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