本年度は、平成19年度に購入・セットアップした個人情報を削除した研究用の患者検体結果が入った研究用サーバに関して、まず、従来はExcel2003を用いていてExcel2003の行制限で約6万4千行のデータまでしか抽出・保存できなかったのを、Excel2007の行制限(約100万行)まで抽出・保存できるように改修した。この結果、これまで一日600検体以上の検体結果値だと3ヶ月毎単位でしか抽出・保存できなかったのを10倍以上の期間で一気に抽出・保存できるようにした。このようにして抽出した研究用の患者検体結果を、平成20年度に開発したパーセンタイル値算出ソフト(Excelのマクロ)を用いて、月毎、週毎、日毎などの一定期間毎の患者検体の全データの中央値などのパーセンタイル値、および、外れ値を除いた患者データの中央値や平均値を算出し、一定期間毎の管理検体の平均値の変動と一気に比較して相関係数を出せる環境を整えてきた。このような環境を用いて、幾つかの検査項目について、患者データの中央値などの代表値と管理検体の平均値との相関を、検査頻度に応じ、月毎、週毎、日毎などで算出した。その結果、患者検体の全データの中央値などの代表値と管理検体との間において有意な相関がある項目・時期を認めた。このような時期は、検査結果にシフトが生じている可能性があり、精度管理の安定期とは言い難く、精度管理の安定期から除外することが望ましいので、現在も引き続き、このような有意な相関がある時期を検出して安定期から除外する方法の開発を継続している。
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