研究課題/領域番号 |
19590558
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山村 卓 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20132938)
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研究分担者 |
石神 眞人 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10379266)
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キーワード | レムナントリポ蛋白 / リポ蛋白 / 食後高脂血症 / メタボリックシンドローム / コレステロール / トリグリセライド / アポB-48 |
研究概要 |
1. 小中学におけるレムナントリポ蛋白:430名の小中学生について血清脂質・レムントリポ蛋白を測定した。LDLコレステロール(LDL-C)、HDL-C、トリグリセライド(TG)の平均値±標準偏差(mg/dl)はそれぞれ、81.7±23.3、62.8±15.9、47.7±22.8であった。LDL-Cは140mg/dl以上は6名認められたが、TGが150mg/dl以上は2例に認められただけであった。一方、レムナントリポ蛋白(RemL-C)の平均値±標準偏差(mg/dl)は2.81±1.04で、異常高値を示したのは1名だけで、そのTG値は177mg/dlと高値を示していた。小児ではTGの処理能力には余裕があり、このためレムナントリポ蛋白も成人に比べ異常高値を示すことは少ないものと判断された。 2. 食後高脂血症とレムナントリポ蛋白:メタボリックシンドロームの血清脂質異常の1つはレムナントリポ蛋白の増加である。一方、レムナントリポ蛋白の増加する食後高脂血症の病態解明ならびに診断法確立の必要性が指摘されている。そこで、エネルギー・脂質調製セット食による食事負荷を行い、レムナントリポ蛋白(RemL-C)を測定し、食後高脂血症を評価することを目指した。負荷後RemL-Cが増加するパターン(増加群)と減少するパターン(減少群)がみられた。負荷後のRemL-Cが減少する減少群においてもアポB-48値は増加群と同様に負荷後に上昇し、減少群で減少したRemL-CはVLDLレムナントの動きを反映していることが明らかになった。一方、増加群で増加したRemL-Cはカイロミクロンレムナントの動きを示していると考えられる。すなわち、再現性の高いレムナント測定法とアポB-48の測定を組み合わせることによって、RemL-Cの蓄積が内因性か外因性かを判断でき、食後高脂血症の病態解析の一助となる可能性が示された。
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