研究課題/領域番号 |
19590559
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西郷 勝康 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20304107)
|
研究分担者 |
橋本 誠 神戸大学, 医学部附属病院, 衛生検査技師 (40379433)
炬口 真理子 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (10379430)
熊谷 俊一 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (00153346)
|
キーワード | 幼若血小板 / 自動計測法 / 血小板輸血 / トロンボポエチ / 血小板マイクロパーティクル / 酸化ストレス |
研究概要 |
幼若血小板(網血小板、IPF)を自動計測により経時的に測定することにより、化学療法後の血小板回復が推測可能か否か、またこれを利用することにより血小板輸血を削減できるか否かについて検討した。15症例27コースの化学療法症例を観察し、血小板数が20,000/μL以下に減少してもIPFが10%を越えると2.2日(95%Cl1.4-3.0)で血小板は30,000/μL以上に回復することが示された。このような症例においては他の出血傾向がなければ血小板輸血の回避が可能である。また7例の造血幹細胞移植例での観察では、再生不良性貧血の1例のみがIPFの良好な回復とそれに続く血小板回復を示し、超大量化学療法後への応用についてはさらに検討を要すると考えられた。トロンボポエチン(TPO)の同時測定症例では、TPOはIPFより早い時期に増加がみられ、IPFの上昇との関連が示唆された。生体肝移植後の血小板減少例2症例では、やはりIPFは血小板回復に先行し、さらにTPOの上昇がIPFの増加に先行していた。これらの成績は、血小板輸血が適応となる血小板減少性病態において、IPFを簡便に測定することにより、高価な臨床検査であるTPO測定は不要であることを示している。同時に、通常の化学療法後にはIPF計測により回避できる血小板輸血が存在することを示している。なお、血小板回復と血小板活性化の関連について検討するため、血小板マイクロパーティクルを計測したが、各症例によるばらつきが大きく一定の傾向を見出すことは困難であった。酸化ストレス度と血小板回復の関連についても一定の傾向は見られなかった
|